子供4人で離婚する場合の養育費の計算、算定表

あまり多くありませんが「子供が4人いて離婚したい。でも養育費の算定表は子供が3人までしかないが、養育費はいくら?」という質問があります。実際に4人のお子様がいて離婚される方もいます。

 

養育費は算定表がなくても計算できる

実は「標準算定式」を使うと、厳密に?養育費を計算できます。

※厳密に、というのは正確に、という意味ではなく、例えば4万円から6万円の枠の中で、1円単位で算定表を照らし合わせたいという意味です。算定表はあくまで目安なので、様々な事情によります。

※令和元年12月23日に改定された計算式です。算定表はこちら

 

実際に計算してみましょう

父親の年収が600万円、母親の年収が100万円。どちらも会社員。お子様が16歳、15歳、10歳、9歳の4人と仮定します。

基礎収入を計算しましょう

基礎収入とは、年収から税金や職業費を引いた金額です。ちょっとややこしいので、あまり気にしないでおきましょう。基礎収入は、年収に下表の基礎収入割合を掛けた金額です。

0~75万円 54%
75万~100万円 50%
100~125万円 46%
125~175万円 44%
175~275万円 43%
275~525万円 42%
525~725万円 41%
725~1325万円 40%
1325~1475万円 39%
1475~2000万円 38%

※会社員の場合です

つまり、このケースでは

父親の基礎収入=600万円×41%=246万円

母親の基礎収入=100万円×50%=50万円

となります。

子供の生活費を計算しましょう

子供の生活費は

父親の基礎収入×子供たちの生活費指数÷(子供たちの生活費指数+父親の生活費指数)

で計算できます。

子供たちの生活費指数は

14歳以下の子供 62
15歳以上の子供 85

となっています。大人は100です。

つまり、このケースでは

子供の生活費=246万円×(85+85+62+62)÷(85+85+62+62+100)=246*294/394=184万円

となります。

父親の負担額を計算する

父親の負担額(養育費)は

子供の生活費×父親の基礎収入÷(父親の基礎収入+母親の基礎収入)

で計算できます。

つまり、このケースでは

184万円×246万円÷(246万円+50万円)

=152万円となります。

子供4人で年間153万円の養育費、ということです。月額12万7千円程度になります

 

子供が何人でも計算できます

この計算がお子さんが1人の場合でも同様です。例えば、養育費の算定表では4万円から6万円などの枠にあるとき、4万円とするか6万円とするかで悩む場合などに有効です。

父親の年収が400万円、母親の年収が0万円。お子様が3歳と仮定します。

父親の基礎収入は300万円の42%で126万円。母親は0円。

子供の生活費は126万円×62÷(62+100)で48万2222円。

養育費は48万2222円×126万円÷(126万円+0円)で48万2222円となります。

月額4万0185円という計算になります。(10円単位なので5円は切り捨て)

 

ただ、あくまで目安です

ただ、これは養育費の算定表の計算を厳密にしただけで、必ずこの金額が妥当、ということではありません。実際には父親が住宅ローンを払っている家に子供と母親が住み続ける、子供の学費を父親が負担している、父親に持病があって医療費がかかっている、など、さまざまな事情によって変動します。

ちなみに自営業や会社経営者の場合はまだ計算式が異なります。

 

養育費の計算でよくある質問

児童扶養手当を貰うから養育費が減る?

「母親は離婚後に児童扶養手当を月に4万円くらい貰うはず。それを母親の収入に加算して計算しろ」という父親がいます。ただ児童扶養手当は母親の収入に入りません。同様に児童手当(3歳以上1万円のやつ)も収入にカウントしません。つまり、養育費の算定表の計算に児童扶養手当は関係ない、ということです。

会社からの家族手当(扶養手当)が減るから考慮しろ

「会社から家族手当(公務員であれば扶養手当など名称は様々)として毎月2万円もらっている。離婚したら、それが貰えなくなるから俺の年収は下がる!」という方います。確かに、父親の年収が下がるので、算定表の計算に反映させることもあるようです。

ちなみに国家公務員の場合、妻が6500円。15歳以下の子供が1万円。16歳から22歳の子供が1万5千円。毎月扶養手当として支給されるそうです。なので場合によっては年間40万円以上、減るかもしれません。

ただ、それを言い出したら、昇給した場合に養育費も上げてくれるのかな…と思います。家族手当がある会社は大きな会社や公務員など、昇給も順調なケースが多いと言えます。実際に3年おきに養育費の金額を見直す、という方もいました。

実家で暮らしているから養育費を下げろ

「離婚後に妻と子供は妻の実家で暮らすんだからお金かかんないだと」など。母親の実家で暮らすのは実家の善意なので、算定表や養育費には関係ありません。ちなみに、ご主人が実家で暮らす場合にも養育費には関係ありません。

 

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