コロナウイルスと養育費、面会のこと

コロナウイルスの影響が離婚や養育費、面会に影響を与えています。よくある疑問と対策をまとめてみました。札幌市で活用できる制度なども紹介しています。

※親権者は母親と仮定していますが、父親が親権者の場合は読み替えてください

 

児童扶養手当・児童手当の増額について

新型コロナウイルスの影響により、ひとり親家庭の経済的な困窮が問題となっています。現在のところ、大きく2つの追加の給付があるようです。

第一子に5万円、第二子以降に3万円の加算

5月26日のニュースです。児童扶養手当の受給世帯を対象に、第一子に5万円、第二子以降に3万円の加算があるそうです。ただ、まだいつ支給されるか、どんな手続きが必要かは発表されていません。(5月30日時点)

詳細は札幌市の「ひとり親世帯臨時特別給付金」をご確認ください。

※全国一律の制度ですので、札幌市以外も同じだと思います

一律、1万円の加算

新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て世帯の生活を支援する取り組みとして、児童手当を受給する世帯(0歳~中学生のいる世帯)に対し、臨時特別の給付金(ひとりあたり1万円)を支給するものです。

詳細は札幌市のホームページをご覧ください。

こちらは手続きは不要(公務員以外)です。児童扶養手当ではなく、児童手当なので、子供がいれば受け取れます。離婚は関係ありません。6月29日に入金予定だそうです。

 

すぐに欲しい!待てない!という場合は、すでにある制度を利用して、お金を借りることも検討されてはいかがでしょうか。将来的に、児童扶養手当の増額分で返済できるかもしれません。後述します。

 

よくある疑問や不安(母親)

父親からコロナウイルスの影響で収入が減り、養育費が払えない、減額して欲しい、来月払うと言われている

コロナウイルスの影響でパートやバイトの収入が激減した。生活できないので、父親からの養育費を増額して欲しい

給付金(ひとり10万円)が子供の分とあわせて20万円入るのだから、今月の養育費は払わないと言われた

父親は自営業で100万円の給付金が入るはず。そこから養育費を払って欲しい

自粛中なので子供と父親の面会を断ったら、養育費を払わないと脅されている

 

よくある疑問や不安(父親)

コロナウイルスの影響で子供と面会できない

コロナウイルスの影響で収入が激減し、養育費が払えない

 

アドバイス(母親)

上記に対して、簡単なアドバイスを書きます。ただ、個人の事情によって異なりますので、お近くの専門家に相談されることをオススメします。また、あくまで私の見解です。

 

父親からコロナウイルスの影響で収入が減り、養育費が払えない、減額して欲しい、来月払うと言われている

深刻なお悩みだと思います。一般的なことを言えば

1,よく話し合う

2,調停などで話し合う

3,強制執行などを行う

だと思います。ただ現在、家庭裁判所もコロナウイルスの影響で調停がストップしています。札幌家庭裁判所は4月20日(月)から5月17日(日)までの間に実施される予定は取り消されているそうです。詳しくは(こちら) 状況次第ではまだ延びそうです。こうした状況を考えると、急ぎの場合は難しいかもしれません。

5月29日付で、6月から調停なども再開されることが発表されました。ただ、「当分の間,期日等の実施件数を抑制する等の運用としております」とありますので、通常より時間がかかるかもしれません。

また、公正証書を作成している場合などは強制執行も可能かもしれませんが、リスクもあります。大変な時世の中で強硬手段を取ると、父親が仕事を失ってしまったり、関係が悪化するかもしれません。こうした相談は、父親が飲食店経営や工事関係者、自営業者など、比較的そうしたリスクが高いケースが多いと言えます。逆に公務員や大企業に勤めている方などは強制執行はしやすいと思いますが、そもそも給料が減りにくく、養育費の悩みも少ないでしょう。あと強制執行も時間とお金がかかります。求めている答えではないと思いますが、基本的にはよく話し合う、お願いする、が無難かもしれません。例えば給料明細や通帳を見せて貰うなどあれば、お互いに納得しやすいかもしれません。もちろん、まったく協力してくれないケースも多いので、そうした場合は強硬な手段しかないかもしれません…。

 

コラム1:養育費保証サービスがオススメ

養育費保証サービス養育費保証会社をご存知ですか?

保証サービスを利用することにより、父親から直接、養育費を受け取るのではなく、保証会社を通して養育費を受け取ることができます。父親は保証会社に養育費分を支払います。そして、1年分は養育費が保証されます。このため、もし、今回のケースのように父親が一時的に養育費が払えない、という場合でも、1年間は母親に必ず保証会社から養育費が支払われます。父親は1年以内に不足分をあとで払うことになります。(もしかしたら利息分的な支払いも必要かもしれません)

母親は養育費が突然、受け取れなくなるリスクがなくなります。父親は今月は厳しいけど来月払える、という場合でも安心です。

もちろん、保証料が発生するなどのデメリットもありますが、父親にとっても母親にとっても便利だと思います。その他にもメリットがあります。個人的にはオススメです。詳しくはこちらの(イントラスト社)のホームページをご覧ください。当事務所では、相談の際に必ず養育費保証サービスをご紹介しています。実際に父親の職業によっては加入される方が増えています。離婚に詳しい専門家であれば、おそらく相談時にアドバイスしてくれたと思います。離婚後でも加入できます。

 

コラム2:内容証明を送るべきかも

養育費を払ってくれない場合に、あとから不払分をまとめて請求すれば、全額払って貰えるでしょうか?

残念ながら、一般的に、養育費は請求した月からの分しか認められません。つまり、調停などを申し立てた月の養育費からしか払って貰えない可能性があるのです。しかし、内容証明郵便で支払われていない養育費を請求した場合、あとから調停などで、内容証明郵便を受け取った月の分から認められる可能性が出てきます。もちろん、色々と事情によるのですべてでこの通りではありません。ただ、とりあえず今回のように調停が難しい場合、内容証明を送っておくのも良いかもしれません。当事務所でも養育費請求の内容証明を作成しています。お気軽にご相談くださいね。

 

コロナウイルスの影響でパートやバイトの収入が激減した。生活できないので、父親からの養育費を増額して欲しい

こちらも切実な問題だと思います。確かに、養育費の算定表をもとに養育費の金額を決めた場合、自分の収入が減ると養育費の金額が増えるはずだ、と考えるかもしれません。ただ、実際にはなかなか難しい話です。父親が納得した上で増額してくれるのなら問題ありませんが、そうでない場合、やはり調停などで話し合うことなると思います。しかし、調停は上で説明した通りです。こちらも微妙なアドバイスかもしれませんが、根気強く、父親を説得するしかありません。ただ、無理、という方も多いでしょう。こうした場合「母子父子寡婦福祉資金貸付」という制度でお金を借りる、という選択肢もあります。これはひとり親家庭などを対象に、無利子、もしくは低金利で行政がお金を貸してくれる制度です。詳しくは札幌市のホームページをご覧ください。一部、引用します。

3 新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、子どもが在籍する保育所や学校等の臨時休業、事業所等の休業などで、保護者の就業環境が変化して、一時的に就労収入が減少し、日常生活に支障をきたすことが想定される場合においても「生活資金」の活用が可能です。ひとり親家庭の親になって7年未満の場合や、離職し、就労の意思及び能力があるにもかかわらず職業に就くことができない場合が対象となります。

引用:さっぽろ子育て情報サイト

コロナウイルスの影響により、対象の拡大なども行われています。なにより、確実で、比較的すぐに受け取ることができます。お金がなくてとても困っている場合などは、父親に請求することと並行して、こうした制度の活用も検討されてはいかがでしょうか。

また、もともと養育費の請求をしていなかったが、これを機に請求したい、というご相談もあります。離婚後の養育費の請求もサポートしておりますので、お気軽にご相談くださいね。

 

給付金(ひとり10万円)が子供の分とあわせて20万円入るのだから、今月の養育費は払わないと言われた

給付金は児童手当や児童扶養手当と同じように、(おそらく)所得には含まれません。養育費の算定表には影響しません。ただ、もし父親がコロナウイルスの影響で無収入になって、母親が影響を受けていない場合などは、気持ちとしては分からなくはないかな、とも思います。そうした場合は、こうした意味不明の主張をするのではなく、父親から母親に理解して貰えるように、誠意ある説明をすべきと思います。

 

父親は自営業で100万円の給付金が入るはず。そこから養育費を払って欲しい

これは微妙なところです。

持続化給付金として自営業者は最大100万円、中小企業経営者は最大200万円が給付されるそうです。「個人事業者の場合は、総収入金額に算入される」らしいので、関係あるかもしれません。

詳細がわかったら記載します。

 

自粛中なので子供と父親の面会を断ったら、養育費を払わないと脅されている

養育費と面会は基本的には関係ありません。まして、この状況で外出したくない、させたくない、極力、誰にも会わせたくない、というのは普通だと思います。ただ、父親の中には、じゃあ母親の家で会いたい、気にし過ぎだ、でも公園には行ってるんだろ!という考えの方も実際にいます。まずは丁寧に、面会してもしなくても子供が生きるためにお金はかかること、コロナウイルスで学校も休んでいること、公園は関係なしに面会すればリスクが増えることは間違いないこと、などを伝えてみましょう。

その他に、テレビ電話を提案する、動画や写真を送る、子供から父親に手紙を書いて送る、という選択肢もあるかもしれません。実際に会うことだけが親子の交流ではありません。父親が子供に会いたい気持ちは大切ですし、良いことだと思います。例えば面会が月に1回なら、テレビ電話は週に1回にするなど、お互いに少しずつ歩みよることで、面会も養育費も良い方向に向かうかもしれません。

もちろん、嫌がらせのように会えないなら養育費を払わない、というは論外で、給料を差し押さえられても仕方ないと思います。

 

 

アドバイス(父親)

コロナウイルスの影響による父親側の不安やアドバイスです。

コロナウイルスの影響で子供と面会できない

本当につらいことです。毎月、子供に会えることを楽しみに生きている、頑張って相場以上の養育費などを払っている、という男性からの相談もあります。

本当に難しい問題です。ただ、実際に子供が1週間、家からまったく出ていない、という家庭もあります。公園にも散歩にも行かずに我慢しているそうです。もちろん、こうした家庭ばかりではありません。散歩くらい行っていいと思います。考え方には個人差があります。まずはよく話し合うこと、面会以外の方法がないかを提案することだと思います。

もちろん、テレビ電話もなにもかも、子供が望んでいないことを理由に断られるケースがあります。これは、本当にそうなのか、母親の嘘なのかは分かりません。どちらのケースもあります。

ただ1点だけ忘れないで欲しいことは、面会と養育費は関係ない、養育費がないと困るのは子供、ということです。確かに、元妻との関係が良好でない場合、子供と理由なくテレビ電話もさせてくれない、という嫌がらせをされているケースは珍しくありません。父親は養育費を払うばかりで不利だ、理不尽だ、というお気持ちも分かります。ただ、やっぱりどんな理不尽があっても、子供には養育費が必要です。(母親が実は再婚しているなどは除きます)

お子様が大きくなれば、きっと、誰が誠実であったかを理解できる日がきます。長期的な視点で、お子様との良好な関係を築きましょう。

 

コロナウイルスの影響で収入が激減し、養育費が払えない

ないものは払えない、自分の食費すらない、という状況かもしれません。まずは誠実に母親と話し合うこと、説明することだと思います。

一番最悪な選択は開き直ることです。例えば公正証書を作成している場合など、無視を続けると最悪、自宅が差し押さえられるかもしれません。その際、不払い分だけでなく、将来の分もまとめて支払うことになるかもしれません。動産執行といって、自宅に裁判所から職員がきて、現金や車、パソコンやテレビなどを差し押さえていくかもしれません。自営業者であれば、売掛金の差し押さえをされ、取引先にも迷惑をかけて仕事を失うかもしれません。

養育費が払えないことは仕方のないことですが、それと開き直ることは違います

しっかり説明すること、適切な手続きを行うことが大切です。ただ払えない!ではなく、収入がゼロになったのか、何割減ったのか。養育費がまったく払えないのか、いくらなら払えるのか。払えなかった分はいつか払うのか、それを書面に残すのか。来月まとめて払える根拠はあるのか。車を売却した、など出来ることはないか。など、母親側の気持ちになって行動されることをオススメします。

 

まとめ

当事務所では養育費請求の内容証明や離婚後の離婚協議書や公正証書の作成を行っております。札幌近郊でお困りの方は、お気軽にご相談くださいね。相談は無料で、メールやLINEでのご相談は24時間365日受付です。