不倫の慰謝料が払えないときは?分割払いを希望する

「不倫をしてしまい、慰謝料を払うつもりはあるけれど、一括で払うことができない」「不倫の慰謝料の分割払いをお願いしたい」という方のために。どうやって分割払いをお願いすればよいか。

 

慰謝料を払いたいけれど、一括では払えない

という人は多くいます。まずは、すぐにお近くの弁護士さんに相談して、その慰謝料を払う義務があるのか、その金額が妥当なのかを相談した方がいいでしょう。おそらく、不倫の慰謝料の支払義務があり、相手が離婚せず、請求された慰謝料が70万円以下であれば払うことをオススメされるケースが多いと思います。(弁護士さんに依頼した場合の費用などを加算して考えると、払った方が良いかもと)

念のため、2つの事務所に相談してみると、さらに安心です。意外と異なるアドバイスをされた、という方も多いです。

 

慰謝料を請求する側が思うこと

慰謝料は払うとして、でも「お金がなくて今、一括で払えない」という場合、それを不倫された側に伝えて、相手が思うことは…

  • 親や友達、銀行や消費者金融からお金を借りればいいじゃないか?
  • すべての財産を売ってもお金がないのか?
  • バイトするなり、仕事を増やせばいいじゃないか?

です。

 

まずは親や銀行などから借りることを考える

まずは親などから借りることが、最も現実的です。「お金がなくて慰謝料が払えない」と請求した側に言っても、「親には頼んだの?」と言われてしまうと思います。

「親がいない」「親が無収入」「親の連絡先が分からない」「親に聞いたけれど断られた」などであれば、相手も納得してくれるかもしれません。逆に「親には知られたくない」「たぶん貸してくれないと思う」「親は無理」という理由では、なかなか難しいでしょう。

働いている人なら、銀行のフリーローンなどがあります。いまは銀行に行く必要がなく、ネットで完結するようです。専業主婦でも50万円程度であれば、借りられることもあるようです。「奨学金が残っているので、たぶん借りられない」ではなく、「3つの銀行に申し込んだけれど、断られた…」と言えば納得してくれるかもしれません。

ただ、実際には「親に不倫のことを言えない」「銀行などから借金をするのが怖い」という方もたくさんいます。これは普通の人であれば、当たり前だと思います。

 

手持ちの資産を換金することを考える

お金が借りられない場合、手持ちの資産を売却することも考えられます。

まずは車です。新車や高価な車に乗っていて払えない、はなかなか納得されないでしょう。次がスマホです。最新のiPhoneを使っていて、お金がないですは難しいです。

ただ、現実的には、車以外に売るほど価値のある財産がない人の方が多いと思います。

 

基本的には分割払いに応じてくれる

さて、本題です。どれだけ頑張ってもお金を用意できないのであれば、基本的には、請求した側は分割払いに応じてくれることが多いと思います。「お金がない人からはどうやっても払わせられない」ためです。

ちなみに、他人が「親や銀行からお金を借りるように強制する」こともできません。あくまで借金は任意です。

また、「いきなり給料が差し押さえられること」もありません。差し押さえは、原則、あくまで裁判などをして、債権債務が確定して、それでも払わないときに行われます。公正証書を作った場合も該当します。請求されている段階での心配はほぼ不要です。(仮差押えなどもありますが、限りなく心配ないと思います…)

 

ただ、分割払いの金額も重要

ちなみに「給料が安いので毎月3万円しか払えません…」と言っても、「じゃあ夜でも週末でもバイトすれば?」いくらでも働く時間があるよね?と言われてしまうと思います。

分割払いをお願いするときは「最初にできる限りのお金を用意すること(全額を一括にしない)」と「毎月の支払金額をできるだけ高くすること」が大事でしょう。

 

真摯に頼むことが大事

理由もなく「お金がないので分割払いで」とお願いしても、普通は応じてくれないでしょう。

  • いま貯金がまったくない
  • 車は古くて買い替えができない
  • スマホなどを売って10万円は用意した
  • 実家の親は生活保護なのでお金がない
  • たくさんの知り合いに頼んだけれど断られた
  • 3つの銀行にローンを申し込んだけれど、ブラックリストに載っているので断られた
  • これから仕事以外にもバイトをして、すべて返済にあてる

「だからまず10万円を払い、残りは毎月5万円の支払いで…」と言えば、相手も分割払いに応じてくれるかもしれません…。

しかし、現実的に、ここまで一括払いができない条件が揃っている人は少ないと思います。

 

公正証書を作成する、利息を設定する

もし、不倫された側が慰謝料の分割払いに応じてくれたとしても、「利息をつけること、公正証書を作成すること」などを求められるかもしれません。いまはネットで色々な情報があるので、「分割払いなら公正証書に」と考える人も珍しくありません。

ただ、現実的には、公正証書にするためには、「不倫された側」と「不倫した側」が一緒に公証役場に行く必要があるので、かなり精神的に難しいです。(不倫された側は代理人の弁護士さんかもしれませんが、それでも嫌ですよね) また、費用もかかります。

 

一括で払った方がお互いに楽

総合的に考えると、普通に働いて人であればここまで面倒なことをするよりも、銀行などからお金を借りて、一括で払ってしまった方がご自身が楽だと思います。もし、それでも慰謝料の分割払いをお願いをするのであれば、真摯に説明する必要があると思います。

例外としては、ダブル不倫の場合(配偶者に知られたら困るので借金できない)、学生やフリーターや専業主婦で借金が難しい場合、病気で働けない場合などは、正直に伝えてみても大丈夫だと思います。