不倫の慰謝料請求で後悔したケース(失敗)

不倫相手に慰謝料を請求して、結果的にお金がマイナスになる(費用の方が高くなる、費用倒れになる)ケースもあります。その他、不倫の慰謝料請求での失敗をご紹介します。

 

求償権を放棄せず、マイナス20万円に…

夫が独身の女性と不倫しました。証拠は本人の自白、写真、メールのやりとりなど十分にありました。相談無料、着手金無料の東京の専門家に電話して、すぐに依頼しました。140万円を請求したところ、相手も弁護士に依頼し、100万円に減額して欲しいということで、それで決着しました。成功報酬は20万円と17%だったので、諸経費と税込みで40万円程かかりました。それでも60万円のプラスなので、良かったと思っていました。

後日、不倫相手から、夫に対し、求償請求として80万円を払えという請求書が届きました。依頼した専門家に電話したところ、求償権という権利を放棄させていないことを説明されました。私はこれで初めて求償権という言葉を知りました。慰謝料を請求したときに、求償権の説明はありませんでした。

確かに夫も悪いので、せめて半額の50万円なら理解できます。しかし、夫の方が年上だった、積極的だった、などの理由から、夫の方が責任が重いと主張されました。減額するためにまた専門家に依頼すると、50万円に減額できた場合、費用が20万円程かかると言われました。その場合、すべての費用が60万円以上、慰謝料が50万円で、10万円以上のマイナスになってしまいます。しかも、裁判になればもっと費用がかかると言われました。

その後、夫は仕事の立場もあるので訴えられると困る、早く終わらせたい、ということで、私に無断で80万円を相手に払ってしまいました。夫の個人の貯金から出した、ということですが、そのお金は子どもの進学費用であったり、マイホームのためのお金です。結局、100万円を受け取りましたが、費用が40万円、相手に80万円を払ったので、夫婦としてはマイナス20万円の赤字になってしまいました。

最初は140万円請求して、上手く行けば、費用を払っても100万円近く残る、と言われていました。それが、この結果です。依頼した専門家に求償権について説明されていないことを聞いても、相手が求償権を放棄する義務はない、絶対に求償請求されるとは限らないなどと言われただけでした。

夫とも険悪になってしまいました。求償権について、自分で調べておくべきでした。専門家選びが本当に大切だと痛感しました。

補足

お客様からの相談で、専門家に依頼して慰謝料請求したけれど、求償権について知らない、和解書にも書かれていない、ということがあります。一般的には求償権を放棄した上で、慰謝料の金額を決めることが多いと思いますが、相手が求償権を放棄する義務はありません。どちらか選べるような感じです。嫌がらせのために絶対に求償権を放棄しない、という不倫相手も存在します。(そうすることで、請求した側が困ると分かっているので)

求償権を放棄させないメリットとしては、相手が求償請求してこなかったら、より高い金額の慰謝料が受け取りやすい、という点があります。例えば、相手に立場があり、絶対に法的手段は取らないだろう、という場合などです。

その他、離婚する場合も、別れた夫に請求されても困らないので、求償権については触れないことがあります。最初は離婚しようと考えていたけど、やっぱり離婚しない、という場合には注意が必要です。

離婚しない場合、一般的には求償権の放棄を条件に慰謝料の金額を決めると思います。当事務所では必ず求償権の放棄を条件とした請求書を提案しています。離婚する場合でも、養育費が払えなくなると困るので必ず確認しています。

 

ダブル不倫でマイナス74万円に…

主人が既婚女性と不倫しました。専門家に依頼し、慰謝料300万円を請求しました。相手も専門家に依頼し、慰謝料100万円に減額して欲しいと言われ、応じました。こちらの費用は着手金ゼロ、成功報酬が15万円+15%で30万円かかりましたが、70万円が残りました。

後日、今度は不倫相手の夫から、私の主人に対して、300万円の請求がきました。すぐに専門家に相談したところ、100万円まで減額はできると思うが、費用は着手金が10万円と減額できた200万円の17%の34万円で、44万円かかると言われました。仕方がないので依頼しました。

結果、費用が30万円と44万円、主人が払った慰謝料が100万円で、174万円の出費がありました。トータルで74万円のマイナスでした。おそらく、相手も同じくらいの赤字になったと思います。ただお互いに損をしただけでした。後悔しかありません。

確かに、ダブル不倫の場合、相手の夫からも慰謝料を主張され、相殺されて慰謝料が受け取れない可能性については聞いていました。しかし、そのときは着手金も成功報酬もゼロなので、1円も損をしないと言われていました。今回のケースは相殺ではなく、慰謝料の請求と減額の2件の依頼になるので、それぞれに費用がかかると言われました。

せめて、最初から100万円を請求していたら、相手からも100万円だけ請求されて、減額分の費用はかからなかったと思います。自分が、言われるがままに300万円を請求してしまったことも失敗でした。相手の立場からしたら、当然のことだと思います。後悔しかありません。

補足

これも珍しくない相談です。ダブル不倫の場合、夫婦としてはお互いに慰謝料を請求し、払う義務があります。もちろん、自分の夫や妻には絶対にバレたくない、という人も多いので、慰謝料を受け取れるだけで終わるケースもあります

しかし、実際には、妻や夫にバレずに300万円も払える人は稀です。払えないので、仕方なく自分の妻や夫に話して、お互いに請求しないことにしましょう、相殺しましょう、ということもよくあります。ただ、この場合は費用も少額で済むので、それほどマイナスにはなりません。

最悪なケースは、慰謝料を請求して受け取ったあとで、相手の配偶者に知られて、同額以上を請求される場合です。すでに不倫の事実は認めているので、言い逃れは困難です。受け取った金額を請求されたのであれば、それでもまだマシです。受け取った分を全額返して(払って)、請求にかかった費用しかマイナスになりません。しかし、相手は、払った慰謝料プラス、減額にも費用がかかっていることもあります。つまり、自分たち夫婦の方がマイナスが大きい、ということです。そんなの許せませんよね。おそらく、自分が請求した金額と同じ額を請求されます。この場合、自分たちも減額のために多額の費用がかかる可能性があります。

ダブル不倫の場合は特に、とりあえず300万円請求しましょう、という安易な考えは危険です。あとで安くすればいい、最初は高めに請求した方が良い、というは非常にリスクがあります。また、相手が独身だと思っていても、実は既婚者であることもあります。全体的に、相場より高すぎる金額を請求することは、ダメではありませんが、リスクもあります。

今回のケースでも、最初から50万円だけ請求していたら、相手のご主人にバレずに終わっていたかもしれません。請求する金額が大きくなるほど、簡単には払えず、専門家に依頼したりおおごとになるので、バレるリスクが大きくなります。

当事務所では、慰謝料の金額はもちろんですが、相手の配偶者にバレた場合についても説明、対策した書類作成を提案しています。

 

探偵に依頼している間に妊娠した…

夫のスマホを見てしまい、女性との怪しいLINEを発見しました。主人を問い詰めたところ、ただの友達で不倫はしていない、としか言いませんでした。過去にも同じような事があり、証拠がないと、主人は絶対に認めないと分かっていました。私は確実な証拠を確保するまで、少し泳がすことにしました。地元の興信所に相談したところ、絶対に証拠があった方が良いと言われ、依頼することにしました。しかし、費用が高くなるので、ピンポイントで依頼することにしました。まず、2週間後の週末に、私が子どもと実家に泊まりで帰る予定を夫に伝え、その日に調査してもらうことにしました。その日まで、証拠が欲しいという期待と、不倫しないで欲しいという葛藤がありました。結果、やはり夫はその日に不倫しました。土曜の朝から夜まで、ずっとラブホテルで女性と過ごしていたそうです。非常にショックでした。調査費用は意外と安くて、20万円未満でした。

興信所の調査レポートが受け取れるのは調査してから3週間かかるということで、夫にすべて話すのはそれを待つことにしました。その3週間は何も知らないフリをしなければならず、地獄でした。

3週間後、ようやく調査レポートを受け取り、夫を問いただしました。証拠もあるので、夫は正直にホテルに行ったことを認めました。しかし、いつから不倫していたか聞いても、その日が初めてだとしか言いません。LINEも見ましたが、確かに過去にホテルに行ったような感じはしませんでした。ただ、信じることもできません。ちなみに、その日以降も不倫したことは認めました。

すぐに夫から女性に電話させて、妻にバレたこと、二度と会わないこと、慰謝料を請求することを伝えさせました。また、専門家に依頼して慰謝料請求しました。2週間後、相手から回答があり、満額を一括で支払うということでした。しかし、同時に、妊娠していること、出産するつもりであること、認知して貰うことが書いてありました。

衝撃でした。夫に聞いたところ、避妊していなかったようです。子どもが欲しかったわけではなく、なにも考えていないだけでした。訴えたところで、出産を止めることは出来ないと言われました。また出産する場合、認知も拒否できないようです。認知した場合、養育費も請求されるそうです。私たちにも子どもがおり、母親の違う弟か妹が生まれると思うと涙が止まりません。でも、離婚すれば夫とその女性が新しい家族を築くでしょうし、それも嫌です。

もし、あのとき、わざわざ不倫するチャンスを与えず、夫の不倫をすぐに止めていたら結果は違ったかもしれません。すぐに相手の女性に連絡し、会ったり連絡したりするなと警告していたらとも思います。後悔しても手遅れでした。これから一生、夫が不倫した証と向き合って暮らさなければなりません。今はただただ、無事に生まれないことを願っています…。

補足

探偵や興信所に依頼して、その費用が受け取れる慰謝料を上回る可能性があることについては書きません。よくあるケースで、他のサイトにも書かれているためです。ここでは、調査に費やすお金ではなく、その時間についても大切にして欲しいということをお伝えします。

調査している間に妊娠した、というケースは当事務所ではありません。しかし、もともと肉体関係はなかったのに、調査しているときに初めて肉体関係を持ったケースはあります。また、夫の浮気を疑っていながら何もせず(できず)、その間に相手が妊娠してしまったケースはあります。

不倫は放置するほど、デメリットやリスクが大きくなることが多いです。もちろん、なにもせずに良い妻を演じることで、いつか帰ってくるケースもありますし、すべてに該当するわけではありません。

興信所に依頼する場合、どうしても証拠を掴むまである程度の時間がかかります。また、調査レポートが受け取れるまでの時間も意外と長いです。結果、浮気に気付いた日から証拠をつきつけるまで、時間がかかります。

不倫は期間が長いほど、悲しいことが増えます。記念日に不倫された、お金を貢いだ、家族の思い出の場所に不倫相手と行った、子どもにバレた、車に乗せた、会社にバレて左遷された、など、色々です。あとで分かることも多いです。

もちろん、証拠は大事です。興信所や探偵に依頼することで、夫が認め、不倫をやめ、相手に確実に制裁することもできます。特に離婚する場合などはとても重要です。ただ、離婚しない場合であれば、夫がこれ以上不倫しないための行動をすぐにした方が良いケースもあります。自分で調査する場合も同様ですが、証拠と時間、どちらも大切です。

 

その他

他にも

・裁判になって何ヶ月もかかって辛かった

・相手が無職で1円も慰謝料が取れなかった

・おおごとになって夫との関係が悪化した

・夫に黙って慰謝料請求したら、夫に知られて大変なことになった

などもあります。

不倫の慰謝料請求は、できるだけ早く、なるべく費用をかけずに、円満に、妥当な金額を請求することが重要です。

 

まとめ

・求償権については必ず確認する

・慰謝料請求のリスク、さまざまな可能性を知っておく

・高額な慰謝料を請求するほど、リスクも大きくなる

・こうしたことを事前に教えてくれる専門家に依頼する

上記はあくまで個人の意見です。また、一部フィクションです。

ほとんどの専門家はこうしたことも事前に説明してくれるので、安心してお任せして大丈夫だと思います。ただ、実際にこうした料金体系、相談事例もありますので、注意するに越したことはないと思います。(特殊なケースだとは思いますが…)

 

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