子連れ再婚の注意点と婚前契約書

当事務所には、2回目の離婚のご相談も多くあります。その中で、子供の養子縁組や養育費のことで悩んでいる方もいます。

ここでは、シングルマザーが再婚する際に注意して欲しいことと、関係する書類についてご紹介します。

※子連れ再婚が成功する秘訣、大変さ、子供の気持ちなどは別のページに書いてあります。ステップファミリーについてです。

 

再婚すると、養育費が貰えなくなる

基本的には、再婚して再婚相手の男性が子供を扶養する場合、実父からの養育費は貰えなくなることがほとんどです(ちなみに事実婚ならどうか、再婚しても養子縁組しなかったらどうか、実父に再婚したことを言わなければどうか、など細かい部分は省略します)

もし、2回目の離婚をする場合、再婚相手と養子縁組していたとしても、離婚によって養子縁組が解消されることが多く、養育費が期待できないかもしれません。(これは再婚の期間によって異なることが多いです)

再婚相手から養育費を貰わない場合、子供が働いていなければ実父に再び養育費を貰うことになるかもしれません。ただ、実際には、こうしたケースは稀です。さすがに心情的に難しいようです。

つまり、2回目の離婚をすると、どちらからも養育費が受け取れないことがあります。こうした懸念から、シングルマザーが再婚を決断できない、というご相談もあります。

 

面会も難しい

お子様が小さい場合など、新しい父親(再婚相手)との暮らしに慣れるため、再婚する際に実父とは会わせない、連絡させない、というケースもあります。

とても難しい相談ですが、実際には珍しくありません。ただ、これも2回目の離婚をする場合、悩ましいことになる可能性があります。お子様が実父とも養父とも会えなくなってしまう可能性があります。

 

特別養子縁組にするかどうか

養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があります。厳密に説明すると長くなるのでアバウトに説明すると、特別養子縁組は、法律的には実の父親のように扱われる、という感じです。例えば、住民票などでは普通の父親と同じように記載されるそうです。相続などにも関係するので、新たしい夫の親兄弟にまで影響する可能性があります。

ちなみに特別養子縁組はざっくり6歳までの子供が対象でした。しかし、2019年6月に国会で民法が変わることが決定し、14歳(例外17歳)までの子供に対象が拡大しました。1年以内に施行されます。

 

だから再婚をためらう

子連れ再婚はとても不安です。子供と新しい夫が仲良くやれるか、子供と実の父親の関係はどうなってしまうか、などです。金銭面だけでなく、愛情面も不安です。二人と子供だけの問題ではありません。

このため、このまま再婚していいでしょうか…?というご相談が多くあります。

 

事実婚はどうか?

インターネット上には、籍を入れず、事実婚としての再婚を勧めるサイトもあります。事実婚であれば養育費をこのまま受け取りやすく、児童扶養手当にも影響しにくい。親などの親族に説明する必要もないし、もし別れても離婚と違って楽。なにより、離婚してとって疲れたので、結婚なんてもうコリゴリ!という意見です。

現実的に、事実婚状態を選ぶ方も珍しくありません。デメリットは、子供が生まれるときにどうなるか、相続の問題が複雑になりやすい、浮気されたときに不貞行為と認められるか、子供の気持ちはどうか、別れるときに共有財産などの問題が起こりやすいなどが考えられます。

 

将来について考えておきませんか?

籍を入れるか、事実婚とするかは、どちらでも良いと思います。それぞれの事情があります。ただ、どちらにしても、将来のことを今から考えることが大切です。再婚後や別れるときに揉めてしまうのは大変です。

具体的には、再婚(事実婚)後に揉めないように…

・養子縁組はするのか、特別養子縁組か

・子供の生活費や進学費用をどの程度、養父が負担するのか

・妻が元旦那と会ったり、連絡したりするのか

・妻が元旦那から養育費を受け取っているのか、進学費用をどう考えているか

・子供と実の父親(元旦那)との面会をどうするのか

・貯金はどう貯めるのか

・二人の子供を授かるのか

・相続は親と意見が一致しているのか

もし離婚(離縁)する場合は…

・その後の子供の養育費を負担するのか

・貯金はどう分けるのか

などなど、色々決めておくべきことがあります。特に、事実婚の場合はいつから事実婚が始まったか明確ではないため、お金などの考え方が難しくなります。

 

書類を残しませんか?

行政書士札幌中央法務事務所では「子連れ再婚(シングルマザー)のための婚前契約書」の作成をはじめました。もともとはなかったのですが、こうした依頼があり、せっかく色々調べたので他にお困りの方のお役に立てると幸いです。

費用は3万円と消費税です。相談は無料なので、お気軽にご相談くださいね。

 

再婚している人は大勢いる

実際には、シングルマザーの方が再婚されることはまったく珍しくありません。幸せに暮らしている方もたくさんいます。当事務所のお客様からも、あのとき離婚して良かった!と教えてくれることがあります。

子供の幸せとは、母親(と父親)が幸せになることでもあります。どうか、ご自身の幸せについても大切に考えてくださいね。