これまでたくさんの不倫に関するお悩みを聞いてきました。その中で「浮気した旦那が『離婚するかはお前に任せる』と言っています」という相談が非常に多くあります。これについてまとめました。
モヤモヤの正体
浮気した夫が『離婚するかは君に任せる』と言っている場合、反省して誠実のようにも感じる人もいますが、やはりどこかモヤモヤしますよね。
男性でも分かるように車で例えてみます。車を運転していて、信号待ちで停車中、後ろから追突されたとしましょう。その運転手が第一声で「僕に修理代や治療費などの損害賠償を求めるかはそちらにお任せしますね~」と言ってきたらどうでしょうか。「なに言ってんだこいつ」と思いますよね。損害賠償を求めることは当然だし、すべてこちらが決めることですよね。その前に言うべきことがあるだろと感じますよね。
仕事で例えてみます。ご主人が仕事で取引先やお客様に迷惑をかけたときに、1回だけ謝って、「あとは裁判でも契約解除でもお好きにー。もう謝ったし、こちらから何もいう権利ないんで」とはならないですよね。上司などと一緒に何度も謝罪して、返金なり補償なり代替案を提示して、それでやっと次に進めますよね。法律や権利義務ではなく、人ととしての問題です。
「浮気した夫が離婚するかは君に任せる」と言うことは、これに近いと感じます。
離婚はそもそも浮気された側が考えることです。それは当然です。ただその前に、ご主人が離婚されたくないのかどうか、が重要ですよね。ご主人が奥様に「本当にごめんなさい、もう絶対に浮気しません、どうか離婚しないでください」と頭を下げてからやっと、奥様が離婚するのか離婚しないのかを考えることができます。
それか、どんな理由があろうとなかろうと、離婚したいと思うことは自由なので、ご主人が「俺は浮気したけど、嫁からぐちぐち言われるのがムカつくから離婚したい!」というのもある意味で自由です。
「離婚したくない」でも「離婚したい」でもなく、奥様に任せる根性が不誠実だ(気持ち悪い)と感じてしまいます。
結局、奥様は子供のために離婚できないから、浮気した自分からは頭を下げず、奥様から「離婚しない」って言わせたいだけのように感じてしまいます。(子供がいない場合でも、結婚を祝福してくれた親や友人や同僚のために離婚したくないと思う方もたくさんいます)
こう書くと、謝罪はした!と言われますが、謝罪って数回、「ごめんなさい」と言えば済む話ではないですよね。その後の態度や行動もすべて含めて謝罪です。
あと『浮気した自分から離婚したくないなんて言う権利なんかない』という人は、じゃあ、不倫する権利はあったんですか??と心からお尋ねしたいです。
ないですよね。不倫するときに、不倫する権利があるかを考えたのでしょうか。繰り返しになりますが、離婚するかを決めるのは浮気された側です。では、浮気した側はなにもしないでぼーっと待っていることが正解でしょうか。「任せまーす」と言って終わりでしょうか。違いますよね。誠心誠意の謝罪を続けて、離婚しないでくださいと頭を下げることが必要ですよね。
前向きに、再構築のために。
もちろん、浮気した側も冷静でなかったり、不安があることも理解できます。「どうせ離婚されるんだから謝罪しても仕方ない」と考える人もいるでしょう。ご主人なりの理由であったり、言い分もあると思います。そもそも結婚していなければならない義務も道理もありません。ご主人を責めたいわけではありません。
当事務所では「浮気されても離婚しない」をテーマに書類を作成しています。「夫に浮気されて、でも離婚しないで再構築を頑張ろうと思うんですけど、浮気した夫があまり反省していなくて…」というご相談が本当にたくさんあります。
こうした背景から、「せっかく再構築できる可能性があるのに、ご主人の態度のせいで離婚になってしまうのはもったいない!」と心から思います。せっかく、浮気された側が離婚しない可能性を持っているのに、浮気した側がそれを潰してしまうのはもったいないです。
結婚が正義で、離婚が悪だというつもりは一切ありません。お二人が離婚を望んでいるのであれば、なにも問題ありません。ただ、やはり浮気された側が離婚を望んでいないのに、離婚を半ば強制されてしまうのはおかしいと感じます。
離婚はとても大変です。離婚して幸せな人もいますが、離婚して大変な人もたくさんいます。そして、離婚はいつでもできるはずです。まずは再構築を頑張ってみて、それでもダメならそのときに離婚でもそれほど問題ないはずです。どちらにしても、離婚するかどうかは浮気された側が選べるべきだと思います。
どうか、一度、冷静に考えてみてください。【浮気したくせに妻のせいにして離婚したいと言う男性に伝えたいこと】のページにも書いていますが、ご主人を責めたいわけではありません。お子様のためにも、離婚が回避できないかなと思うだけです。
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