元夫がストーカーに!?

元夫に暴行され、母親が殺害される事件が発生

2016年1月に、札幌市で元夫が元妻を暴行、元妻の母親を刺し、元妻の母親を刺殺する事件が発生しました。事件の概要は以下の通りです。

”過去に、女性は「夫が離婚に応じない。過去にDVを受けていた」と警察に相談していた。2015年1月頃に離婚が成立していたが、その後も元夫が女性の自宅に押しかけるトラブルが発生し、数回に渡って警察に相談。そして事件当日、元夫に対し、北海道警察が「これ以上やるとストーカーになる」と電話で注意していた。電話では元夫も「わかりました」と話していたが、その数時間後、事件が発生した。元夫は逃走する際、女性の1歳の息子を連れ去った。(その後、無事に保護された)”

離婚を考えるとき、DVやモラハラが原因の場合は他人事ではないかもしれません…。

 

離婚後や別居後にトラブルが起きるケースは増えている

ストーカー被害の特徴として、警察庁の発表によれば、約6割が元交際相手、元配偶者が行為者となっています。つまり、まったく関係ない人ではなく、元恋人や元夫からストーカーされる可能性が高いということです。

『養育費を受け取っているシングルマザーは3割未満』というデータは何度も紹介してきました。その理由のひとつとして、『元夫と関わりたくない』という悩みがあります。

養育費を受け取るとなれば、やはり元夫との関係が継続します。それが苦痛で、養育費を最初から諦めるケースも珍しくないようです。

ドメスティック・バイオレンス(DV)やデートDV(恋人間のDV)、リベンジポルノなど、さまざまなトラブルがあるが、このページでは元夫や元恋人のストーカー被害についてご紹介します。

 

ストーカー規制法の対象となるのは?

ストーカーによる殺人事件などが相次いで発生したため、平成12年に成立しました。

もともと、『○○しないと殺すぞ』というのは犯罪です。ただ、これを警察に相談しても、警察がすぐに相手を逮捕してくれるわけではありません。

ただ恋愛感情の怨恨は、重大犯罪につながりやすいのです。

そこで、同じ脅迫や迷惑行為でも、恋愛感情が関係する場合は、事態を重く考え、警察がどんどんサポートしようね!ということで成立したのがストーカー規制法です。ということで、ストーカー規制法の対象は、『特定の人への恋愛感情がある』か『恋愛感情が満たされなかったことに対する怨恨がある』に限られています。

例えば、お金を貸して欲しい!と元夫から付きまとわれている場合はちょっと違う、ということです。

 

なにがストーカー規制法の対象となるの?

ざっくりしたイメージは、『元夫から復縁を迫られたり、復讐を予告されたり、まだ実際には被害はないけれど無言のプレッシャーを受け、恐怖を感じている!』という場合が対象です。具体的には以下の通りです。

・つきまとうこと、家などに押しかけること

・行動を監視していると思わせること

・面会や交際を要求してくること

・乱暴な言動

・無言電話や、執拗な電話、メールなど

 

ストーカー規制法の相手は元恋人や元配偶者だけ?

対象としては、恋愛感情の相手本人だけではなく、その家族や恋人も対象となります。例えば、家族に対し、『復縁に協力しろ!』『お前らが反対しているんだろ!』という場合や、恋人に対し、『これは俺の女だ!』『お前が略奪したんだろ!』なども含まれるそうです。

 

ストーカー規制法の対象だったら、どうなるの?

これらの対象となることをされた場合でも、すぐに相手が逮捕されたり、慰謝料を受け取れる、というわけではありません。まずは、恐怖をなくすため、事件が起きないために、警察が相手に警告をしたり、サポートしてくれる、ということが基本だそうです。(もちろん、告訴や損害賠償請求ができないわけではありませんが…)

 

元夫や元恋人はなにが目的なの?

大きく分類して、復縁が目的、復讐が目的、子供が目的のどれかが多いように感じます。復讐が目的の場合、事件が起こりやすいので、速やかに警察に相談した方がよいでしょう。難しいのは、復縁や子供との面会が目的の場合です。恐怖を感じるとまではいえないが、わずらわしい、精神的に辛い、などが多く、警察に相談するほどではない(もしくはしたけれど、何かあってからまた相談して欲しいと言われてしまった)など、なかなか困ります。

 

元夫がストーカーになりやすいケースは?

復縁が目的の場合、不貞相手に振られたため、という理由が多いそうです。ただ、これはネットの情報なので、どれだけ多いのかは不明です。当事務所で多いの理由は、もともと、モラハラ気味の男性からのストーカー被害です。(というか、この理由がほとんどです)

離婚後も、『離婚してこんなに辛い、お前のせいだ』『もう改心した。子供のためにも戻ってこい』『復縁しないなら養育費はもう払わない』など、元妻を困らせるようなメールやLINE(拒否すると手紙やFAXも)が定期的に来て困っている、精神的に辛いという相談が圧倒的です。週に1回程度の頻度で送られてくるとしても、かなりの苦痛です。しかし、警察に相談するほどでも…というレベルです。

 

別居中もストーカー被害になる?

ただ、『元夫』ということは、離婚は出来ています。微妙なのが、別居中の夫に対してです。夫のモラハラに耐えられなくなり、別居を開始したが、夫は離婚に応じてくれず、困っているという方がいます。離婚していなければ、DVの可能性もありますが、精神的に追い詰められていることに変わりはありません。

 

実際、ストーカー被害にあったらどうする?

生命の危険を感じるレベルであれば、すぐに警察へ相談しましょう。ただ、冒頭の事件のように、警察へ相談すればすべて解決できるわけではなく、悩ましいところです…。警察への相談が、余計に元夫を刺激するのでは?とお悩みの方もいますが、難しいところです。

警察に相談するレベルでなければ、まずは家族や友人に相談し、心と身体のケアをしましょう。時間が経過すれば、自然と疎遠になるかもしれません。

注意が必要な点として、連絡を無視したり、電話番号やメールアドレスを変更すると、相手を刺激してしまう可能性があることです。例えば、元夫と連絡するのは苦痛だけれど、子供と面会をさせなければならず、どうしても連絡が必要…という場合は、親に連絡を代行してもらう方法もあります。

基本的には、警察か弁護士さんにご相談されることをオススメします。

 

最も大切なことは、予防すること

離婚後、元夫との関係で難しいことは、ストーカー被害と、子供の面会&養育費が密接に関係していることです。面会させたくないけれど、養育費が貰えないのは厳しい…などです。

この問題をクリアするためには、やはり離婚時に作成する『離婚協議書』の内容が重要になってきます。当事務所の離婚協議書の中には、以下のような対策が盛り込まれています。

『夫は住所、勤務先、連絡先をした場合、妻は連絡先を変更した場合、互いに通知する義務がある』

このように、妻の住所を教えない書き方もあります。ちなみに、夫の住所や勤務先は、強制執行のために教えてもらう必要があるため、この項目自体をなくすのはオススメできません。

『子供の面会に関すること以外は連絡しないこと』

復縁したい、俺の状況はこんな感じ~というのを防ぎます。

『面会時、子供に母親の近況を聞かないこと』

お子さんとの面会時、『お母さんは彼氏できた?家にいる?』などを聞いてくるケースがあります。

当事務所では、『子供の幸せを最優先に考える離婚』をテーマに、離婚後も、円満な関係が築けるような離婚協議書の作成を得意としています。

 

離婚の前に知っておくべき100のこと

当事務所ではこれまでたくさんの離婚や不倫の相談に応じてきました。LINE登録は4千件以上です。これまでの経験や知識を「離婚の前に知っておくべき100のこと」としてまとめています。

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