せっかく子供のために頑張って建てたマイホーム。残念ながら離婚することになって、父親がひとりで住むには広すぎるし、維持も大変。子供の環境を変えないためにも、この家に子供が妻と住み続けて欲しい。ただ、離婚する妻ではなく、子供のために残したい。
名義を子供に変えるのは大変
ざっくり説明すると、家の名義を未成年の子供に変更すると、贈与税ががっつりかかります。詳しい説明は割愛します。どうしてもやりたい方は税理士さんにご相談ください。
目的はなにか?
探している答えと違うかもしれませんが。結局は、妻ではなく、子供にこの家、財産を残したい、という目的だと思います。離婚原因やこれまでの経緯から、妻が信用できない、という相談は珍しくありません。
妻の名義になってしまうと、勝手に売って現金化して浪費したり、他の男と住んで子供が追い出される可能性もゼロではない、のかもしれません。しかし、その懸念は、名義を子供にするしか方法がないとは思いません。無理に子供名義にしても、子供が住まなくなったときに負担でしかないかもしれません。
お互いに信頼関係がない
そのまま夫名義のままにすれば、一見、問題はありません。子供が必要なときは住まわせてあげて、不要になったら処分する。成人後も子供が住むなら、生前贈与も可能かもしれません。もしも夫が亡くなる場合には子供に相続されるはずです。夫名義の家なら、別れる妻の好きにはできません。
では、なにが問題になるか。それは、夫が妻を信用していないのと同様に、妻も夫を信用できないという点です。
夫名義なら、いつ勝手に売却するか、銀行から差し押さえられるか、住まわせてやっている!という偉そうな態度で接して来ないか、など、妻も嫌なのです。だから子供名義にしたい、ということもありますが、子供の名義にしても、結局は親権者の母親がどうこうできることが多いので、あまり意味はないと思います。
子供だけ守りたい、は無理
元妻は不幸になって欲しい、でも子供は幸せになって欲しい、という父親がいます。(そこまで直接の言い方じゃないにしても)
しかし、別れる妻と子供は、一蓮托生です。元妻が安心して暮らせることが、子供の幸せです。一緒に暮らしていて、妻だけ貧しくて子供だけ裕福ということはほぼありえません。
子供には養育費を払うけど、元妻のためには使わせたくない。養育費がすべて子供のために使われているか管理したい、なども同様です。子供と暮せば、家賃だって食費だって、母親と同じレベルで必要になります。母親だけボロアパートに住んで、カップラーメンを食べる生活はできません。
子供の幸せを願うのであれば、ある程度、妻を信用するしかありません。別れる妻を憎んで行動しても、おそらく子供が苦労するだけです。
別れた妻が再婚し、自分の子供が新しい父親と暮らすことになれば、複雑な気持ちになると思います。その家のローンを自分が払っているなら、なおさらです。もちろん、そのときには買い取って貰うなり、当然の行動もあります。
ただ、最初から妻の再婚を妨害するようなことを約束したりはオススメしません。
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