「妻の浮気が発覚したのですが、その妻から離婚したいと言われていて…」という相談が多くあります。浮気した妻から離婚したいと言われたけれど、離婚に応じるかどうか悩んでいる男性のためのページです。
女性の方が浮気して離婚したい…が多い?
男性の浮気は遊びであることが多いので、「不倫相手が好きだから離婚したい」という人は意外と少ないと感じます。逆に、不倫相手に本気になって離婚したいと言い出すのは女性の方が多いと感じます。特に、男性に依存するタイプの女性です。比較的、男性にモテる女性で、ずっと男性からチヤホヤされていたいタイプの女性に多いかもしれません。ただ、明確な統計ではなく、あくまで当事務所の経験上の話です。
浮気した側が離婚すると言い出すのはおかしくない?
通常のイメージでいえば、浮気した妻が夫に対して「本当にごめんなさい。もう浮気はしないので、どうか離婚しないでください」と懇願し、夫が妻に「絶対に許せないから離婚する」という流れですよね。この流れを経て、ご主人が「仕方ない。今回だけ許してあげる」と進むのが理想です。この流れであれば、再構築するも離婚するもご主人の決断次第なので、あまり困らないと思います。(親権のことは除く)
しかし、現実には、浮気した側から離婚したいと言い出すことも多々あります。
- そもそも離婚になる覚悟で浮気した
- もともと夫の〇〇が嫌で離婚したかった
- 申し訳ないとは思えない
- 離婚して自由になりたい
- 離婚して、浮気相手と再婚したい
などと言われます。
ただ、やはり理解できませんよね。離婚したいなら最初から離婚したいと言えばいいし、離婚してから恋愛すればいいだけです。そもそも、離婚も結婚も、片方が勝手に決めることではありませんよね。ただ、こうした話をしても理解はされないです。(これは男女に関係ないです。男性でもそうした人はいます)
浮気したくせに離婚したいと言う妻に言ってはダメなこと
こうした状況で、言わない方がいいことをいくつか書きます。特に、子供がいる場合を想定しています。
「離婚してもいいけど、親権は渡さない」
子供が好きな父親に多い発言です。正直、理解はできます。しかし、やはり言わない方がよいです。これを言うと、「離婚してもいいってことは、私には愛情がないんでしょ?じゃあ離婚でいいよね」と言われてしまいます。
このとき、「親権をあげたら離婚してくれるってこと…?」という発言に要注意です。その場で「親権を渡す」という約束をしても、あとから「やっぱり親権は渡せない」と言い出すと困るためです。色々なサイトに書いていますが、浮気と親権は基本的に関係ありません。浮気したから親権者にふさわしくない、とはほぼなりません。これまで母親が子育てしてきたのであれば、揉めてしまうと、親権者が母親になってしまう可能性が高いようです。
後から「親権は僕って約束したんです!」と言ってもあまり意味はないので、安易に「親権がもらえるなら離婚しよ」と決断しない方が無難です。
スタンスとしては、離婚するかどうかと親権は別々に考えるべきです。離婚が決定的になってから、親権の話をしても遅くないはずです。同様に、共同親権の話もしない方が無難でしょう。子供の意思によって大きく話が変わるためです。
「不倫相手の男を訴える」も微妙
浮気したのが女性でも男性でも、本人が反省していない状況で「不倫相手を訴える」と言っても、「そういうところが嫌い」「そんなことするなら離婚する」「好きにすれば」と言われてしまいます。もちろん、「彼を守るために彼と別れます…」という可能性もありますが、そうした後ろ向きの理由で離婚を回避しても、後日、別の理由をつけて離婚したいと言われる可能性が高くなります。
こちらも親権と同様に、離婚か再構築か決まってから慰謝料の話を進めても遅くありませんよね。
他人、特に男性のアドバイスは慎重にきく
「そんな嫁なんて絶対離婚した方がいい」「離婚できて、親権がもらえるなんてラッキーじゃん」「今はシングルファザーも珍しくないよね」
そんなことを周囲から言われることもあるそうです。間違っているとは言いませんが、子供の視点が欠けているように感じます。子供の年齢にもよりますが、父親より母親の出番とされている場面は多いです。こう書くとシングルファザーや主夫全体を批判しているように感じられるかもしれませんが…。これを書いている私は男で、主体的に育児をしています。やはり学校行事やスポーツ少年団、習い事など、ほとんど周囲が母親だけの中で難しさを感じることが多々あります。我が家は子供が男の子だからどうにかなっていますが、女の子だったらもっと大変でしょう。
僕の親が育児に協力してくれる
これは双方が親権が欲しいという場合です。実の母親が育児すると言ってるのに、わざわざ祖母が育児する理由はあまりないです。
子供以外に離婚したくない理由は?
「ないです」というのは、本心であっても、口に出すべきかは微妙です。
本心を言えば解決するわけではない
先ほども書きましたが、「子供がいなかったら離婚しても全然いいんですけど、離婚したら親権が取れそうにないし、子供と会えなくなるのは絶対に嫌なので困っています…」という気持ちはよく分かります。
ただ、やはりその気持ちを奥様に伝えても、良い方向には進みません。個人的には、父親の浮気であっても母親の浮気であっても子供のために離婚が回避できるのであれば、それが良いと思っています。離婚しないためには浮気した側の反省が必要ですが、された側の協力も必要になります。
浮気された側がどうして配慮や我慢をしなければならないのか!と思うでしょうが、子供のため、ご自身のため、です。離婚するということは、未成年の子供にとって、父親か母親と離れて暮らすということです。(例外もありますが)
離婚の原因が母親だとしても、父親だとしても、離婚による子供への影響には関係ありません。
父親は母親に比べて、浮気されたときに、自分の考えを配偶者に伝え過ぎることが多いようです。それは離婚されても、経済的に困ることが少ないからかもしれません。
「浮気した側から離婚したい」の場合、女性の方が再構築が難しい
夫の浮気の場合、妻が我慢すればそれで終わりなことが多いですが、妻の浮気はどちらかや子供のメリットデメリットではなく、とにかく妻側の感情に左右されることが多いように感じます。論理的でないというか…。
また、妻の浮気の場合、浮気相手が同僚であったり、子供の習い事のコーチであったり、マイホームを建てる時の営業マンであったり、夫が社会的な制裁を求めたくなることが多いとも感じます。
究極的には、浮気された夫が浮気した妻に謝罪する?
正直、浮気した妻側が反省しない&離婚したいという場合、再構築は困難です。浮気して逆ギレする女性は「自分はそれほど悪くない」「浮気したのは仕方ない」という考えがあるようです。
もちろん、浮気された側が頭を下げるのはおかしいですよね。お前が出ていけ、親権は渡さないって言っていいかもしれません。しかし、これまで書いたように、それでご主人の望む結果になるかは分かりません。最悪、離婚して親権は母親、で終わるかもしれません。(そして父親は養育費を払い続ける)
こうしたことを総合的に考えて、「俺は絶対に悪くないけれど、子供と離れることは本当に嫌なので、浮気した妻に頭を下げて離婚を回避します」という父親がいました。
これをSNSに書いたら炎上しそうですね。こうした人は愚かでしょうか? 私はすごく立派で、子供にとっては最高の父親だと感じました。(もちろん、離婚を選ぶ父親が悪いという意味ではまったくありません。どんな結果であれば、悪いのは不倫した側です)
余談ですが、「僕も結婚して風俗とか行ったことがあるので、そんなに偉そうなこと言えないんです。だから悲しいけれど、子供のためにも再構築を頑張ってみようと思います」という男性がいました。皮肉になってしまいますが、妻が浮気しても再構築できる夫は、少し脛に傷がある人かもしれません。すごく良い夫、父親の方がこうしたときは大変かもしれません。
当事務所でできることはありません
長々と書いてしまいました。浮気した側が反省していない&離婚したいと言っている場合、当事務所にできることはありません。その状態で不倫相手に慰謝料請求しても、余計に悪化してしまう可能性が高いためです。
弁護士さんと違って、行政書士は父親が親権を得るためのアドバイスもできません。このため、離婚を勧めることもありません。「離婚して親権が欲しい」ということであれば、弁護士さんにご相談ください。
ただ、「離婚」「親権」「慰謝料」以外のことを相談する相手って意外といないんですよね。弁護士さんに相談したら、この3つのことしか話せなかったという方が多くいます。このため、当事務所にご相談される男性が多くいるようです。
他のページにも書いていますが、「配偶者に浮気されても子供のために離婚しない人は偉い!」が当事務所の基本的な考えです。(離婚がダメ、という意味ではありません)
もし、妻に浮気されて離婚を考えているけれど、やっぱり子供のために離婚しない選択も考えたい、ということであれば、お気軽にご相談くださいね。再構築のための合意書や慰謝料請求書など、円満な状況であれば書類作成をご依頼いただけます。
詳しくは【妻に浮気されたときのまとめ】をご覧くださいね。