当事務所には、年に数件、「母親の浮気を知ってしまった」「父親の不倫に気付いてしまった」という相談があります。
当事務所としては、当事者(浮気された人)ご本人以外から相談されても、なにもお役に立てません…。ただ、子供からの相談は可哀想だな、助けてあげたいな…とも思います。しかし、アドバイスをしても責任を取れないし…と、無難なことしか言えません。(公的な子供用相談窓口に相談してね)
ここでは、もう少し踏み込んで考えをご紹介します。ただ、あくまで一例です。
※未成年者からの相談には応じられません。何卒、ご容赦ください。
ひとりで解決しようとしないこと
まず、自分ひとりでどうにかしよう、と思わないでください。それは子供がすべきことではありませんし、どうにも出来ません。まずは自分の心のケアを最優先してください。絶対につらいことなので、誰かに話す、頼る、ということが一番です。
証拠を集めたりはダメ
次に、証拠を集めることもオススメしません。探偵のサイトの一部には「証拠がないと問い詰めても認めないから証拠を集めて」と書いてありますが、それはオススメできません。探偵に依頼するかどうかは、浮気された母親か父親が決めるべきです。浮気された本人が、それを望んでいるとは限りません。知りたくない事実もあります。まして、子供がそれを知るということが、どれだけ親にとって悲しいことか、想像してみてください。
何歳か
お子様自身が何歳か、も重要です。中学生以下であれば、とにかく祖父母など、大人に相談した方が良いと思います。高校生以上である程度、判断ができるようでも、基本的には身近な大人に相談した方が良いと思います。できれば法律関係や探偵よりも、親族が良いと思います。
兄弟姉妹に相談するか
姉や兄に言っていいか、という相談もあります。正直、難しいです。なんとも言えません。個人的には、姉や兄など年上には相談してもいいのかな…と思います。ひとりで悩むことは、とても辛いことなので。
決めつけないこと
本当に浮気しているのか、浮気しているのは家族を愛していないからだ、浮気がバレたら両親は離婚する、など、決めつけて行動しないことも大切です。浮気は誤解かもしれないですし、なにか理由があるのかもしれません。家族への愛情と浮気は別のことですし、浮気がバレても必ず離婚するわけではありません。
未成年者は浮気などに対して拒否が強く、深刻に考えがちです。しかし、大人になれば、意外とどうにかなることも多いと感じます。
子供自身が悩み過ぎて病んでしまうことこそ、最も悲しいことです。両親や家族を心配する気持ちも分かりますが、まずは自分の心を守ることが一番大事なことです。
離婚して欲しくないという気持ち
親の浮気を知ったとき、「浮気をやめて欲しい」「浮気された親が可哀想」「でも離婚して欲しくない」「黙って暮らすことが苦痛」という気持ちが多いようです。
浮気している本人に言う
まず、浮気した本人に、知ってしまったことを告白し、浮気をやめるようにお願いするケースを考えてみましょう。この場合、確かに浮気なんかしていないと言い逃れされる可能性があります。子供に浮気を認めることは、とても困難です。
ただ、個人的にはそれで良いと思います。それでも浮気を続ける人はいずれバレますし、どうなっても自業自得です。目的は罰を与えることではなく、浮気をやめて貰うことです。
本人に言ったあと
もし浮気している本人に言った場合、そのあと、浮気された親に黙っていることに罪悪感を覚えたり、苦痛になるかもしれません。少なくとも、浮気した親に対する嫌悪感はあると思います。なにもなかったかのように振る舞う親がムカつくかもしれません。
そして、浮気された親にも言おう、と思うかもしれません。ただ、これは難しい問題です。詳しくは後述します。
個人的には、浮気した親に、どんどんムカつく気持ちを伝えるべきだと思います。普段通りに暮らしているのがムカつく、浮気された親に言えなくて辛い、など、罵倒していいと思います。そして、浮気された親に言うかどうかは、浮気した親の判断に任せてはいかがでしょうか?
子供自身が判断し、行動するにはあまりに重い問題です。あとは浮気した親に丸投げし、された方に言わないならそれも親の責任、言って離婚になるならそれも親の責任、と考えてはいかがでしょうか。
子供が行動すると、その責任を感じてしまうことがあります。その結果が離婚の場合、自分を責めてしまう可能性があります。もちろん、そう簡単な話ではないことも理解していますが…。
浮気されている親に言う
浮気されている親に伝えるという選択肢もあると思います。確かに、なにも知らないで暮らすことは可哀想に思えます。
ただ、世の中には知りたくないこと、知らない方が良いこともあります。妻や夫が浮気していると教えられて、感謝されるとは限りません。個人的には、言うか言わないかは、浮気した本人が決めるべきだと思います。
どんな結果でも、自分を責めないで
正直、どうすれば良いか、正解はありません。役に立たないアドバイスで申し訳ないです。ただ、ひとつ言えることは、どんな結果になろうとも、子供は悪くない、ということです。絶対にご自身を責める必要はありません。
両親が離婚しても、険悪になっても、親に責められても、それはすべて親の責任です。そこだけは間違いないので、忘れないでください…。
相談先
18歳未満であれば、こうした相談先もあります。お金はかかりません。
電話やチャットで相談できます。絶対にひとりで悩まない、ということが大切です。
浮気を子供から指摘された親へ
浮気している親に。自分の親の浮気を知ってしまった子供の苦しみを、想像できるでしょうか。おそらく、子供はその100倍以上苦しんでいます。浮気した人も、浮気された人も、自分の親なのです。親を恨まなければならない状況、親を許せない状況は子供だけの辛さです。
浮気の理由や経緯、是非を問うことはしません。後悔しても仕方ありません。重要なことは、これからお子様をどうケアするか、どう行動するか、ということです。
浮気を配偶者に告白することは、離婚に至り、結果、お子様を苦しめることになるかもしれません。キレイごとだけではありませんし、離婚されて責任を取る、というのも無責任です。こうしたことも含めて、よく考えて行動してください。
ただ、絶対にお子様を脅したり、悩ませるようなことは言わないでください。
・離婚されたらお前は大学に行けなくなる
・父親(母親)にバラしたらお前を恨む
・お前さえ黙っていればなにも変わらない
などです。こんな言い方はしませんが、暗にこのようなことを言われたケースもありました。
どうか、お子様の苦しみ、悲しみを聞いてあげてください。自分に話してくれないようであれば、カウンセリングを進めること、自分の祖父母などに話し相手になって貰うことも良いかもしれません。嫌われてしまったから何も出来ません、はただの責任放棄です。
そして、絶対に子供に親や未来を選ばせるようなことは聞かないでください。
・離婚するならどちらと住みたいか?
・離婚して欲しいの?私がいなくなればいいの?
などです。親権者を子供に選ばせるということは、とても残酷なことです。自分の意思でどちらかの親を捨てた、と考えてしまう子供もいます。また、離婚すべき、これからどうするかなどを、子供に決めさせることも残酷です。子供の言うことに従うだけ、は無責任です。
また、いくらお子様に謝罪しても、謝る相手が違うと言われるかもしれません。なにをしても、良い結果などないかもしれません。ただ、それでも考え続けること、悩み続けることが大切です。それをやめた時点で責任を放棄したと同じです。
もし、このページをお子様に読んで欲しいと言われた場合は、きっとお子様はまだあなたを信じたいのだと思います。まずは絶対に浮気をやめて、それをお子様に伝えてください。誤解されるようなことをしない、でも良いと思います。
そして、これからどんな行動をとるにせよ、絶対に子供が責任を感じることがないようにケアをしてあげてください。