お金がなくて離婚できない母親のための制度まとめ

離婚したいけれど貯金も仕事もなくて離婚できない!離婚後の生活が不安!

というご相談は珍しくありません。子供が小さくて働くのが難しい、できるだけ子供と一緒に過ごしたい、というお考えもあるかもしれません。そんな離婚後の生活が不安な母親のために、個人的にオススメの方法をご紹介します。ちなみにすでに離婚している方も同様です。

 

保育士の資格を取るのが一番、経済的!

結論から書くと、札幌市の場合、保育士の資格を取得するために、専門学校へ通うのがオススメです。

・シングルマザーが専門学校に通うと月に10万円?貰える

・札幌市の場合、保育士なら条件付きで専門学校の学費はほぼ無料になる

児童扶養手当も児童手当も貰える

・子供と一緒に過ごせる時間が長いかもしれない

・税金、保育園料なども安い

最大で500万円以上がお得に?

月に15万円くらい貰えて生活できそう、という内容です。

 

シングルマザーが専門学校に通うと月に10万円貰える

高等職業訓練促進給付金事業(ひとり親家庭自立支援給付金事業)という制度です。

ざっくり書くと、未成年の子供がいるシングルマザーが専門学校に通うと、月に10万円貰えるよ、という制度です。市町村によって名称は異なりますが、全国どこでもあります。

真面目な説明は以下の通りです。

高等職業訓練促進給付金
支給額
月額100,000円 (市町村民税非課税世帯)
月額 70,500円(市町村民税課税世帯)

ただし、養成機関における課程修了までの期間の最後の12か月については、
月額140,000円(市町村民税非課税世帯)
月額110,500円(市町村民税課税世帯)

引用元:厚生労働省ホームページ

つまり、前年もしくは前々年の所得等によっては毎月7万500円となります。非課税世帯というのがポイントで、離婚後に実家に住む場合は注意が必要です。また、最後の1年は毎月14万円(市町村民税非課税世帯の場合)となります。※令和元年に増額されました

看護師、介護福祉士、保育士、歯科衛生士、美容師、調理師、栄養士、社会福祉士などの28の資格が対象です。

Q.どのような資格が対象ですか?
A.札幌市が指定する対象資格は、看護師、准準看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、臨床工学技師、歯科衛生士、歯科技工士、診療放射線技師、はり師、きゅう師、柔道整復師、視能訓練士、義肢装具士、自動車整備士、理容師、美容師、製菓衛生師、調理師、栄養士、社会福祉士、精神保健福祉士、助産師、保健師、管理栄養士の28資格です。

引用元:札幌市ホームページ

対象の資格は市町村によって異なります。ちなみにこの金額は非課税です。無事に卒業するときには修了支援給付金5万円(市町村民税非課税世帯の場合)が受け取れます。

つまり、専門学校に2年間、通う場合、10万円×12ヶ月+14万円×12ヶ月+5万円で、最大で293万円が受け取れます。返済は不要です。保育士以外でも同じです。

 

札幌市の場合、条件付きで保育士の学費はほぼ無料になる

札幌市保育士修学資金貸付事業という制度です。

ざっくり書くと、学費(160万円)を無利子で貸してくれて、卒業後、札幌市内の保育園に5年間勤務したら、返済が免除、つまり返さなくていいよ!という制度です。ちなみに札幌市以外にもあります。

真面目な説明はこちらです

(1)札幌市保育士修学資金貸付事業
保育士として働くために、養成施設への入学に必要な準備金や学費等、そして卒業時に保育士として働くための就職準備金を貸付(要件を満たせば返済免除)。高校在学中から、申請及び貸付が可能。

実施主体
社会福祉法人札幌市社会福祉協議会

貸付金額及び期間
月額5万円以内(貸付金の上限は総額120万円以内)
※この他に、入学準備金(入学時)と就職準備金(卒業時)として各20万円以内、最大2年以内

返済免除要件
保育士資格を修得して、札幌市内で保育の業務等に5年間従事した場合等

引用元:札幌市ホームページ

専門学校に通えば10万円貰えるとしても、学費が払えない、という心配があります。保育士ならこの制度が利用できるので、学費の心配が少なくなります。札幌市の保育士専門学校の授業料+入学金は2年間で170万円から200万円程度です。ただ早期受験などで安くなります。AO入試だと入学金30万円が無料になる学校もあります。ただ実習費や教材費が別に必要なこともあります。

 

保育士以外でも70万円程度、返済不要

高等職業訓練促進資金貸付事業という制度です。おおまかに説明すると入学時に50万円、卒業時に20万円、借りることができて、卒業後に札幌市内で5年間働くと返さなくていい、という制度です。保育士以外の資格の場合はこちらを検討することになると思います。

 

教育訓練給付金と併用も可能です

ハローワークなどで、専門学校に通うと受講費用の最大70%(年間上限56万円)が給付されるよ、と聞いたことがあるかもしれません。専門実践教育訓練給付の制度ですね。

併用できることは神戸市のホームページなどに書かれています。

雇用保険法による一般教育訓練給付金、専門実践訓練給付金(受講費用の助成)との併用は可能です。

引用元:神戸市ホームページ

すごく難しいので、自分が対象かはハローワークやマザーズハローワークで聞いてみるといいと思います。おおまかに説明すると、アルバイトでもパートでも、雇用保険に1年(3年?)以上加入していて、今も働いているor辞めて1年以内の場合が対象となります。

例えば保育士の専門学校に2年間、通う場合は最大で112万円が給付されます。返済は不要です。

 

最大で565万円、給付される計算に

単純に計算すると、最大で565万円が給付されることになります。もちろん、すべての人が対象となるわけではありません。このうち200万円程度は専門学校に支払うお金です。それでも資格が取得できて2年間で約365万円を受け取れるのであれば、普通に働くより良さそうですよね。

もし、離婚をそれほど急いでいないのであれば、こうした給付金の支給条件を満たしてから離婚すると、お得かもしれません。

※詳細は適切な窓口でご相談くださいね

 

児童扶養手当も児童手当も貰える

上記の毎月貰える10万円は給付金なので、所得には含まれません。このため、基本的には児童手当(子ども1人で1万円)と児童扶養手当(子ども1人で約4万3千円)が受け取れます。※働く場合は稼ぐほど児童扶養手当が減ります

ちなみに児童手当は中学生まで、児童扶養手当は高校生までです。お子様が二人の場合、児童扶養手当は合計で月額約5万3千円です。もちろん、児童扶養手当は実家に住んでいて親の収入が一定以上ある場合などは受け取れない可能性があります。

 

アルバイトもできる

専門学校へ通う期間、もちろん、アルバイトなど働くこともできます。週末や長期休みに働くことができると、お金が貯めやすくなります。実際に利用されている方にお話を聞くと、授業がだいたい午前で終わるので、午後から保育園のお迎えまで数時間、パートしているそうです。

お子様が1人で保育士の専門学校に2年間通う場合、給付金565万円(最大)に加えて児童手当(毎月1万円)と児童扶養手当(4万3千円)が受け取れて、2年間で最大692万円が支給されます。(支払う学費も含む。卒業後に認可保育園で5年間働く)

これにパート代やアルバイト代を含むと、十分に暮らしていけると思います。

 

税金、保育園料なども安い

普通に働いても、働いて稼ぐほど、住民税や所得税、健康保険料など、収める税金なども増えます。しかし、上記で説明している給付金や手当には税金がかかりません。所得が低いので、保育園料なども安くなります。もちろん、国民年金(毎月約1万7千円)や国民健康保険料(毎月数千円)はかかります。

 

子供と一緒に過ごせる時間が長いかもしれない

専門学校の多くは、16時頃までには終わるそうです。早いところは13時前に終わるそうです。

参考:こども學舎さん

普通にフルタイムで働けば、17時や18時を超えるのは当たり前です。20時まで保育園に子どもを預けている方もいます。その点、夕方に学校が終われば、買い物をしてから子どもを保育園に迎えに行くくらいの余裕はあるかもしれません。小学生であれば、習い事の送迎などもできるかもしれません。また、小学生などは夏休みは冬休みなどの長期休みをどうするか不安です。その点、専門学校は小学校などと同じように夏休みや冬休みがあります。※期間は違います

病気のときも同様です。働いていると、なかなか仕事を休みにくい、ということを聞きます。休んだ分、会社や同僚に負担がかかることもあります。その点、学生であれば、休んでも困るのは基本的に自分だけです。一定以上の出席や単位を取得していれば卒業できるはずです。

子どもが1歳のときに離婚して、専門学校を卒業し、勤務先の保育園に子どもと一緒に通っている、という方もいます。

 

総合的に考えて

例えば看護師さんや公務員の方のように、年収400万円など稼げるひとはこうした制度を利用せず、どんどん働いた方が得だと思います。しかし、いま専業主婦、もしくは、扶養内で働いている子育て中の女性がこれから働きはじめても、年収100万円から200万円、ということも珍しくありません。9時から18時まで働くより、専門学校に通って給付金を受け取った方がお金や時間の面でお得かもしれません。

 

若い子と一緒に学べない??

もう30代で、子どももいるのに18歳の子と一緒に学校に行くなんて…という方もいます。が、当事務所では40代でも専門学校に行くことになった人は珍しくありません。さきほどの専門学校の場合、平均年齢が30代だそうです。

 

注意事項がいっぱい

さて、良いことをいっぱい書きましたが、注意もいっぱいあります。長くなるので、ざっくり書きます。詳しくはお住まいの区役所にご相談くださいね。

・基本的には離婚が成立しないと利用できない。離婚できないから制度が利用できない、制度が利用できるか不安だから離婚できない、という人も。

・「児童扶養手当受給者又は同様の所得の水準にあること。」が条件。実家に戻り、親が高収入の場合などは受けられない可能性も。

・タイミングが難しい。基本的に入学は4月から。しかし、受験は9月頃からはじまる。例えば1月に離婚しても希望の学校に入れないかも。また、児童扶養手当は審査に2ヶ月かかる。事前にスケジュールはよく確認した方がいい。※審査が終わらないと申し込めないのかは不明。ただ申請の必要書類に「児童扶養手当証書(写)」がある。

・アルバイトで稼ぎすぎると月10万円が月7万円に。10万円が支給されるのは市民税非課税世帯のみ。課税世帯になると月額7万500円になるので注意。子供の人数によるので年間、いくらまで稼いでいいのか事前に確認を。

・前々年、前年に年収300万円以上あった人は確認を。

 

まとめ

・子どもひとり(3歳から中学生)の場合、保育士の専門学校に通うと毎月約15万円貰える

・さらに養育費やアルバイト代があると生活が楽に

・働くより子どもと過ごせる時間が長いはず

・資格があると将来も安心

分かりやすいようにざっくり書きました。厳密な説明ではないので、必ず区役所にご相談くださいね。こうした制度は毎年のように変わっているので、最新の情報ではない可能性があります。養育費のことなど、離婚のお悩みは当事務所にお気軽にご相談くださいね。

 

コラム:緊急。DVで直ちに離婚したいけれど無職で実家にも帰れない

『旦那に家を追い出された。所持金がほとんどない。親や姉妹など頼る人もいない。行く場所がない。仕事もしていない。子供がまだ0歳から2歳で困っている』という相談がたまにあります。子供がいないケースなどもあります。とにかくお金もないし、泊まるところもない、という状況です。

まずは友人・知人・親族を頼るのが一番です。こうした相談で警察や区役所に相談した方がいい、とアドバイスしても、ほとんどの人はそうしません。確かに大事にしたくないという気持ちも分かります。頼るところがないんです、という相談でも結局はあることが多いので、まずは友人・知人・兄弟姉妹を頼ることをオススメします。

次が、とりあえず朝までどうにかする、ということです。こうした相談の多くが夜です。公的な相談窓口に相談しようと思っても、時間外であることがほとんどです。もし少なくても所持金があるのであれば、安全な場所に宿泊することが良いです。お金が減って不安ですが、朝になれば土日でも相談できると思います。お金を貸してくれるケースもあります。1円もない、という場合はやはり警察に相談されるのが良いと思います。

朝になったら、とりあえずDV相談窓口に電話してみましょう。なにをしてくれるのか、なにを相談していいか分からなくても大丈夫です。例えば「母子寮」(母子生活支援施設)をご存知でしょうか?

こうした施設は離婚していないくても入れるそうです。先のことを考えても不安になるだけなので、まずは1日1日を乗り切ることがオススメです。