ダブル不倫の慰謝料請求のリスクと和解書(債務引受)

ダブル不倫とは既婚者同士の不倫のことです。このページではご自身の夫(妻)の不倫相手が既婚者だった場合に知っておくべきこと、リスクをまとめました。

 

ダブル不倫の慰謝料請求の概要

ダブル不倫でも慰謝料請求できるが、リスクがある

・3人で債務引受のある和解書も作成できるが難しい

 

離婚する場合も悩ましい

ダブル不倫でも、ご自身が離婚するのであれば、不倫相手の配偶者にバレても直接は困らないので、堂々と請求できます。ただ子どもがいる場合、そう簡単ではありません。

ご主人が不倫した場合、慰謝料と養育費の両方は払えない、というケースが多々あります。職場でのダブル不倫の場合、バレたら会社にいられない、だから養育費も払えない、と脅されるかもしれません。

奥様が不倫した場合、それでも親権が母親になることも多く、奥様に慰謝料を払わせると、お子様が経済的に困るかもしれません。

つまり、離婚する場合でも子供がいる場合、事前にしっかり考える必要があります。これ以降はダブル不倫されても、離婚しない場合についてご紹介します。

 

不倫相手の配偶者が、不倫を知っているかどうか

不倫相手の配偶者が、不倫を知っているかどうかがとても重要です。

もし、お互いの夫婦4人とも不倫を知っているとき、もしくは、4人とも不倫を知ることになった場合、慰謝料請求は困難になります。その場合、4人でお互いに慰謝料請求などをしない、というゼロ和解(四者ゼロ和解)という形で完了することが多いです。

 

ダブル不倫、相手の夫や妻にばらしていい?

離婚はしない、浮気相手の配偶者はまだ不倫の事実を知らない、という場合はどうしましょう。

基本的にばらしてはダメ

基本的に不倫の事実を本人以外に知らせること(知らせようとすること)はプライバシーの侵害や脅迫、恐喝、名誉毀損などの罪に関係する可能性があります。これは相手の配偶者でも同じです。特に、あなたの夫や妻に知られたくなかったら慰謝料○万円を払いなさい、という言い方は危険です。

不倫相手の配偶者の気持ち

相手の浮気相手の配偶者の気持ちも大切です。あなたがその立場なら、夫や妻の不倫を教えて欲しいでしょうか?知ってしまえば、後には戻れません。離婚となり、子供と離れて暮らすことになるかもしれません。そうなったとき、不倫の事実を教えてくれたあなたに感謝するとは限りません。もちろん、悪いのは不倫した二人です。間違いありません。しかし、その事実を知らせるかどうかは、また別の問題です。浮気の事実を知りたくなかった、どうせ浮気するなら墓場まで秘密にして欲しかった、と話す方もいます。

 

ダブル不倫の慰謝料請求のリスク

さて、本題のダブル不倫の慰謝料請求のリスクについて相談します。

当事者4人(双方の夫婦の4人)のうち、不倫相手の配偶者を除く3人(不倫した二人とあなた)だけが不倫について知っている状態だとします。

1、不倫相手が「配偶者に言う」と脅してくる

ダブル不倫の場合、慰謝料請求しても、「慰謝料を払うくらいなら、夫(妻)に言う」と脅してきて、慰謝料請求を諦めざるを得ないことが多々あります。「もう夫(妻)も私の不倫を知っているので、相殺しましょう」と本当か嘘か分からない返答があることもあります。こうした場合、せっかく着手金を払って専門家に依頼しても、着手金が無駄になる可能性があります。

まだ不倫相手の配偶者がこの不倫を知らない場合でも、慰謝料請求することで知ることになる可能性があります。ここからはその注意事項をご説明します。

2、相手が離婚する場合など、払う慰謝料の方が高額になる可能性がある

一般的に、離婚した方が不倫の慰謝料は高額になります。もし、ご自身が離婚せず、相手の夫婦がこの不倫が原因で離婚する場合、こちらの夫婦として払う慰謝料の方が高額になる可能性があります。

3、相殺状態にできるとは限りません

慰謝料請求することで4人とも不倫を知った場合、お互いに慰謝料請求しないで解決される方が多いですが、絶対に相殺ができるとは限りません。相手の合意が必要です。お互いに請求しあうと、費用の分だけマイナスになります。

4、慰謝料は1回しか受け取れません

基本的に慰謝料は1回しか受け取れません。今回、慰謝料を受け取り、その後、不倫相手の配偶者に慰謝料を払うことになった場合、慰謝料の金額が同等になるとは限りません。(こちらは慰謝料10万円で和解したのに、あちらは慰謝料100万円を請求してくる可能性があります)

5、配偶者が逆ギレして、離婚したいと言い出す

もし、不倫相手の配偶者から、あなたの配偶者に慰謝料を請求されてしまうと、「お前のせいでこんなに大事になった!」など逆ギレする人が一定数、いるようです。

 

このような理由から、弁護士さんに相談しても、慰謝料請求は諦めた方がいい、と言われた方も多いようです。

 

なにもしないことも危険

ただ、なにもしなければ問題ない、ということではありません。

慰謝料請求は、不倫の事実と相手を知ったときから3年以内、もしくは、不倫の事実から20年以内にしなければ時効となり、請求ができなくなってしまう可能性があります。つまり、今日、あなたが不倫の事実と相手を知ってしまったのであれば、今日から3年以内に請求しなければ時効になってしまう可能性があります。

では、もし、不倫相手の配偶者が、4年後にこの不倫の事実などを知った場合、どうなるでしょうか?

あなたは慰謝料請求できないけれど、相手の配偶者はあなたの配偶者に慰謝料請求できる、という状況になるかもしれません。4年後に発覚することなんて絶対にない、とは限りません。残念ながら、過去の不倫が発覚することは珍しくありません。例えば、その人がまた不倫して、過去にさかのぼって白状したり、メールが残っていたりするのです。当事務所でも、5年以上前に終わった不倫についての相談もあります。つまり、いま、なにもしなくても、リスクは残ったまま、ということです。ダブル不倫はなにもしないことも危険です。

 

ダブル不倫の債務引受とは?

慰謝料請求してもリスクがあるし、請求しなくてもリスクがあるし、どうしたらいいの…?と思うかもしれません。

将来のリスク(不倫相手の配偶者からも慰謝料請求されるリスク)に備える手段として、「債務引受のある和解書を取り交わす」という手段があります。

ダブル不倫の債務引受とは、「もし、将来、あなたのご主人(奥様)が私の夫(妻)に慰謝料を請求してきたら、その金額をすべてあなた(不倫相手)が代わりに負担してくださいね」という内容です。(履行引受というものもありますが、複雑なので説明しません)

この内容のある和解書をあなたと不倫相手で取り交わすことで、将来、あちらの配偶者から慰謝料を請求されてしまったときに備えることができます。

通常は、夫の名義の住宅ローンを、離婚が原因により、妻の名義に変更するときなどに使います。

 

ダブル不倫の債務引受のリスクとは?

ただ、債務引受にも注意事項(リスク)があります。

1、一度、慰謝料を払う必要がある

請求者(不倫相手の配偶者)に対して、「こういう約束があるから、あなたの配偶者に請求してください」と主張することは出来ません。あくまでこれは、あなたと不倫相手の契約であるためです。基本的には、あなたの配偶者が、請求者に慰謝料を支払ったあとで、不倫相手に対し、支払いを求めることになります。

最初から請求者に「あなたの配偶者に請求してください」ということは出来ません。(お願いすること自体は可能かと思います)

2、100%、肩代わりしてくれる保証はない

上記のように、先に慰謝料を払う必要があります。しかし、そのあとで、不倫相手が行方不明になっている場合、死亡している場合、まったく資産がない場合など、回収できない可能性があります。

3、不倫相手が納得できない、してくれない

慰謝料を請求する側から考えると、債務引受を書いた示談書にサインしてくれれば安心です。しかし、慰謝料を払う側からすれば、かなり難しい話です。慰謝料を払った上に、配偶者に不倫をバラされてもなにも自分はできない、ということになるためです。相手は「これにサインしたら、わざと、うちの配偶者にバラすのではないか?そうしても相手は困らないのでは?」と考えてしまいます

逆にいうと、不倫相手に「絶対にあなたの配偶者にバラしません」ということを信用してもらう必要があります。このまま書くだけでは意味がありません。相手が納得できる和解書にする必要があります。

こうした背景から、当事務所では、必ずしもダブル不倫の和解書で債務引受を書くべきだとは思いません。

債務引受を書く以外の方法としては、「最初から相場以上の慰謝料を受け取っておく」ことも考えられます。離婚しない場合の慰謝料の相場が100万円だとします。最初から慰謝料200万円を受け取っておけば、相手から請求されても、そこから払えばいいためです。しかし、現実には経済的に、簡単な話ではありません。

 

ダブル不倫でも慰謝料は請求できる

前置きが長くなりましたが、やっと慰謝料請求についてです。実際には、ダブル不倫でも慰謝料請求は可能です。

普通の感覚で言えば、不倫したことを自分の配偶者に知られたい人はいませんよね

ただ、慰謝料200万円を払えと言われても払えません。しかし、極端に言えば、慰謝料10万円で妻(夫)にバレずに解決するなら払おう!と思いますよね。請求する金額次第で、意外とあっさり終わることもあります。

まずは脅さないことが重要

ダブル不倫の場合、請求に注意が必要です。上記のように、慰謝料を払わなければ家族にバラすぞ、という脅しは絶対にダメです。いかに相手が納得できる形で、円満に請求できるかがポイントです。

ダブル不倫の慰謝料は高額請求してはダメ

ダブル不倫の場合、高額な請求をしてしまうと、ご自身が損をする可能性もあります。

慰謝料請求書作成の費用

当事務所では、ブル不倫の場合には着手金ゼロ円、成功報酬が15%と消費税、で慰謝料請求書の作成が可能です。成功報酬の中に和解書の作成費用も含まれています

ダブル不倫は慰謝料が受け取れない可能性が高いため、着手金は無料としました。遠方にお住まいの方でもご依頼いただけます。相手の住所は分からなくて大丈夫です。

ご依頼の条件は、ご主人(奥様)が肉体関係を認めていること、不倫相手のLINEや電話番号など連絡先が分かること、まだ具体的に慰謝料請求していないことです。慰謝料の金額は50万円から70万円程度が多いです。

 

慰謝料を請求せずに、債務引受付きの誓約書を書かせる

ダブル不倫の場合、慰謝料請求には様々なリスクがあると紹介しました。

そこで、「慰謝料はとりあえず払わなくていい。その代わり、この債務引受のある誓約書にサインしてください」という形で終わりにする方も多くいます。この中に、二度と夫や妻に関わらないことなども記載します。(難しい話ですが、不倫相手がこの不倫を理由として離婚し、配偶者に慰謝料を払った場合の、こちらの配偶者に対する求償権を放棄することについても記載します。詳しくはご依頼後に説明します。)

これであれば、相手は慰謝料を払わなくていいので、揉める可能性がかなり減ります。また、慰謝料を用意しなくていいので、相手の配偶者にバレてしまうリスクが減ります。(口座から50万円を下したことを知られたら、普通は何に使ったか聞かれますよね)

浮気された側としても、不倫相手の配偶者から、自分の配偶者に慰謝料請求されて困る可能性が減るだけで、十分、メリットがあります。慰謝料請求と違って、高額な着手金や成功報酬も発生しないので、費用が大きくマイナスになることもありません。相手が慰謝料を用意するための時間もないので、すぐに終わることが多いです。相手にお金がなくて、慰謝料が払えない場合などもこちらを依頼されることが多いです。

もちろん、この書類作成費用は、相手に負担して貰いましょう。浮気された側が金銭的に損をするのは良くありません。

債務引受のある和解書(誓約書)は3万円(税別)で作成できます。

また、書類のサインの経緯など相手に説明する送付状は2万円(税別)で作成できます。

不倫相手にとっても、自分の配偶者に不倫がバレるより、5万5千円を負担するだけの方が楽ですよね。

 

なにもしない、はオススメしません

繰り返しになりますが、慰謝料を請求する、しないに関わらず、このまま何もしなければ最長20年間もリスクを抱えたまま暮らすことになります。どちらにしても、あとで後悔しないための書類作成をオススメします。

・慰謝料を払ってもらう(債務引受はなし)

・慰謝料を払う代わりに債務引受の契約書を書かせる(書類作成費用だけ負担してもらう)

・双方の夫婦4人で話し合う

のどれかが現実的かと思います。

できるだけ早く相談して欲しい

もし、夫や妻の不倫相手が既婚者の場合、できるだけ早く専門家にご相談されることをオススメします。時間が経過すると、勝手に不倫相手が配偶者に不倫を白状してしまうこともあります。(慰謝料請求されるといつかバレる(払えない)ので、先に自分から言ってしまう)

当事務所では、LINEやメールで24時間365日、相談を受け付けています。相談はすべて無料です。ダブル不倫の場合、慰謝料請求の着手金も無料です。慰謝料請求を考えていない場合でもご相談頂けます。

 

ダブル不倫Q&A

迷っていますが、相談していいですか?

「離婚するか迷っている」「慰謝料請求するか迷っている」など、まだ何も決まっていない状態でも無料でご相談いただけます。これまでの経験から、お役に立てることがあると思います。その他、まったく知識がないけれど大丈夫?という心配もいりません。

相手の住所は必要ですか?

ダブル不倫の場合、相手のご自宅に内容証明郵便を送ることは、ほとんどありません。このため、相手の方の住所は知らなくても大丈夫です。また、ご自身の住所を教えたくない場合でも大丈夫です。ただ連絡先(LINEや電話番号)か、相手に書類を渡す方法(職場が分かるなど)が必要です。

証拠が少ないのですが?

配偶者が肉体関係を認めていて、慰謝料請求に反対していなければ、大丈夫です。

どんな状況でも依頼できますか?

紛争性がある場合はご依頼をお断りする場合があります。あらかじめご了承ください。

 

夫に浮気された妻が知っておくべき30のこと

夫に浮気されたときに知っておきたいことをまとめました。証拠のこと、夫が逆ギレしたときのこと、浮気相手に仕事を辞めて欲しい、浮気相手に謝罪をさせたいなど、これまでのご相談で聞かれたことをまとめています。詳しくは【夫に浮気された妻が知っておくべき30のこと】をご覧くださいね。

 

離婚しないで不倫や浮気の慰謝料請求なら

行政書士札幌中央法務事務所では夫や妻に浮気されても離婚しないをテーマに「浮気相手にだけ慰謝料請求する」ための慰謝料請求書や示談書の作成を行っています。慰謝料請求については【離婚しないで不倫相手だけに慰謝料請求したい@札幌】のページをご覧くださいね。LINEやメールの相談は無料、面談も無料です。着手金は5千円(税別)だけ。札幌駅と大通駅から徒歩10分以内です。

 

遠方にお住まいの方もご相談いただけます

慰謝料請求書や示談書、誓約書の作成など、遠くにお住まいの方でもご相談、ご依頼いただけます。LINEやLINE通話(音声のみ)を利用して、面談なしでも大丈夫です。面談に行くことが不安な方、近くの専門家には相談しにくい方などに好評です。お気軽にお問い合わせくださいね。

※相手の住所が分からなくても大丈夫です

※証拠がなくても、ご主人が肉体関係を認めていれば大丈夫です