夫婦喧嘩ですぐ離婚という夫に読んで欲しいページ

夫から離婚したいと言われて困っている」という相談が非常に多くあります。このページでは、お子様がいる家庭で、すぐに離婚という言葉を使う父親にお伝えしたいことを書きます。

 

前提:離婚はそんなに軽くない

まず一番に伝えたいことは、離婚や別居という言葉を安易に使わないで欲しい、ということです。

どのような事情、不満、経緯があるのかは分かりません。ご主人様にどれだけの苦労があるのかも私には分かりません。ご主人様が悪い、奥様は悪くない、という考えはまったくありません。ただ、離婚という言葉は、その不満などを解消するために、何度も何度も話し合って、夫婦の関係などを良くするためにたくさん努力して、他人にも相談して、それでもダメだったときに初めて言葉にして欲しいのです

最近は「いきなり離婚したいと言われた」「離婚理由がない、納得できない」「改善すると言っても離婚しかないと言われる」という女性からの相談が非常に多くあります。

このページはなぜ男性向けなのか?女性だって同じじゃないか?と感じた方もいるかもしれません。ただ、現状、小さなお子様がいる家庭の場合、親権者の9割は母親です。男性は離婚しても仕事や名字が変わるわけでもなく、ひとりで育児することもなく、多少の養育費を払うこと以外に変化がない、という方が珍しくありません。(それでも自由に使えるお金が増えると思います)

他方、女性はひとりで育児をし、仕事を始めたり転職し、引っ越しもしなければならない、という方が多くいます。何が言いたいかというと、離婚の影響は女性より男性の方が小さい、男性は離婚しても困らないことが多い、ということです。こうした背景から、安易に「離婚」「出ていく」という言葉を使うことが相対的に男性の方が多いと感じます。男性の方が離婚を軽く考えていることが多いように感じます。(もちろん、離婚しても俺が子育てする、いままでも俺の方が育児をしてきた、という男性の存在を否定するわけではありません)

極端に言えば「離婚しても俺は困らない。困るのはお前だ。お前が嫌ならいつでも離婚していいんだぞ」という脅しとして離婚という言葉を出す人がいます。これを改めて欲しいというのがこのページの主旨です。(逆に子供が大好きな父親に対して、離婚したら子供と二度と会わせないからね!と脅す母親も存在するかと思いますが、別の話なので割愛します)

 

結婚している意味は、ない

離婚したい理由として、「結婚している意味が分からなくなった」や「奥様への愛情がなくなった」という方がいます。離婚理由の1位は「性格の不一致」であり、こうした理由で離婚される夫婦は男女を問わず多いのかなと思います。そうした気持ちを否定するつもりはありません。結婚生活に疲れた、自由になりたいという気持ちの人はよく理解できます。

ただ、お子様がいる場合、恋人同士と違い、「愛情がなくなったから別れる」という簡単な話ではありません。誰か(母親)が子育てすることになりますし、お金もかかります。離婚しても、その子供の生物的な父親がご自身であることに変わりありません。奥様が再婚する可能性もありますが、お子様が母子家庭でずっと暮らすことになるかもしれません。養育費を払えばいい、ということではありません。

個人的な意見ですが、「結婚に意味は必要か?」と聞かれたら、「ない」と答えます。もちろん、結婚して超ハッピーで毎日が楽しいことが理想です。ただ、それは理想であって、必ずしもそうした家庭ばかりではありません。そうしたときに「じゃあ離婚しよ」とはならないのです。生まれている子供の存在をなかったことにはできないのです。結婚に意味があろうがなかろうが、奥様への愛情がなくなろうが、結婚生活に不満があろうが、子供がいる場合は離婚という選択肢は最後に考えるべきだと感じます。夫婦関係が良くなる努力をして、話し合いをして、奥様を愛することを考え、それでもダメだったときに離婚を口にしてください。離婚を考えることと、実際に口に出すことは大きな隔たりがあるのです。

ここまで読んで「母子家庭でも幸せそうな人はたくさんいる!」と感じた方もいると思います。その通りです。母子家庭が悪いとか、不幸であるというつもりはありません。

理由などなくとも、お二人が共に離婚したいと考えているなら何も問題ありません。円満に離婚するご夫婦もたくさんいます。いま伝えたいことは、奥様が納得していないのに、一方的に離婚を伝える男性についてです。一方がどれだけ望んでいても、ひとりで結婚はできませんよね。離婚も同じです。まずは離婚のための話し合いではなく、夫婦関係の改善のための話し合いをして欲しいのです。

心変わりを責めることはできません。離婚したいと思うことは自由です。ただ時間が戻せない以上、それなりの責任を負うべきだと思います。責任とは養育費や慰謝料などお金の話ではなく、幸せにすると約束したことに対してです。その上で離婚を望むのであれば、奥様とよく話し、奥様が納得できるよう努力すべきかと思います。

 

家に居場所がない

長くなったので、ここからは簡潔に。

家に居場所がない、という方。まずはご自身が家族にどうして欲しいのかを考え、伝えるべきだと思います。ご自身で出来ることもあるかもしれません。逆にご家族がどうして、そうした態度なのかも考えてみましょう。例えば「娘や息子が俺に冷たい」という場合。高校生のお子様を3歳のときと比べても難しいですよね。ご自身が高校生のとき、親とどう接していたでしょうか。奥様も仕事や育児で疲れているのかもしれません。

俺が悪いと言いたいんだろ?俺が全部悪い!

なにかあると「俺が全部悪いんだろ!」という方。悪いとか悪くないとかを考えても好転しません。「あなたが悪いです」と言われても嫌ですよね。そもそも、大きな声を出す必要はありませんよね。

俺は父親に向いていない

そうですね。向き不向きがあるので、誰もが父親に向いているとは限りません。ただ、素晴らしい父親でなくても、子供にとって実の父親は一人だけです。そう簡単に「向いていないから離婚」とはなりません。

 

おわりに

冒頭にも書きましたが、「私は離婚したくないのに、夫から離婚を迫られて困っている」というご相談が本当に多くあります。離婚がダメとか、ご主人が悪いというつもりは全くありません。ただ、離婚の話し合いより、まずは夫婦関係を良くするための話し合いをしてみて欲しい、というお願いです。

場合によっては「離婚といえば妻を黙らせることができる」というモラハラのように誤解されてしまいます。もちろん、本質的には男性にも女性にも同じく言えることです。

離婚に関わるひとりの人間としてのお願いです。

※ ここの書いた以外にも様々な理由で「離婚だ」と夫から脅されている、疲れた、というご相談があります。

 

子供の幸せを最優先に考える離婚

行政書士札幌中央法務事務所では「子供の幸せを最優先に考える離婚相談&公正証書」をテーマに、児童扶養手当や養育費など、離婚後にお子様の経済的な不安をできるだけ減らすことを目的とした書類(離婚協議書や公正証書案)の作成を得意としています。メールやLINEで24時間、無料でご相談頂けます。書類作成の面談は2時間まで無料です。どうぞお気軽にご相談くださいね。