現金書留で慰謝料や和解金を払ってはダメ

不倫の慰謝料を現金書留で払って欲しい、払いたい、というご相談がたまにあります。現金書留で慰謝料を払ったり、受け取ることは絶対にオススメできません。

 

現金書留とは?

現金書留とは、専用の封筒で、現金を郵送する手段です。

法律で、普通郵便などで現金を郵送することは禁止されています。現金の場合は少なくとも書留で送らなければなりません。

 

現金書留を送る方法

現金書留を送る場合、専用の封筒を購入し、そこに現金を入れて、郵便局で書留として発送します。(ポストに投函はできません)

ここでポイントになるのが、中にいくら入っているか郵便局で聞かれる、という点です。

 

中にいくら入っていたか、郵便局は確認しない!

ただ、中にいくら入っているかは、送る人の自己申告であり、郵便局員さんが中を確認するわけではありません。そもそも、現金書留は封をした状態で発送できるので、郵便局員さんが確認するタイミングがありません。このあたりが、内容証明郵便との違いです。

じゃあ、なんで中にいくら入っているか聞くの?と思うかもしれません。それは、ごくごく稀に、郵便物が紛失されることがあるので、そのときに、この自己申告した金額を保証します(上限は50万円まで)よ、というためです。

繰り返しになりますが、中にいくら入っていたかは、郵便局が証明したりはできないのです。

 

中身が足りなくて揉める可能性が!

現金書留で慰謝料を送ってはダメな理由はもうお分かりですよね。

例えば慰謝料100万円を現金書留で送ってください、としたとき、封筒を開けて、90万円しか入っていなくても、「私はちゃんと100万円を入れました!」と言われてしまいます。本当にいくら入っていたかを証明することは、かなり困難です。

逆に支払う側も、本当に100万円を入れたのに、「10万円足りません!」と言われたとき、非常に面倒なことになります。

対策としては、封入するときを録画するとか、第三者を何人か証人にするなどが考えられますが、あまり現実的ではないと思います。(録画しても、そのあとに取り換えたかもしれないですよね)

 

現金書留ってなにに使うの?

現金書留って意味ないじゃん!と思うかもしれません。

現金書留はお年玉や入学祝いなど、そもそも払う義務があるお金でない場合には適した送り方です。足りない!と言われたところで、意味はありませんから。逆にいうと、慰謝料の支払いや借金の返済などは、トラブルの元になるだけなので、現金書留は基本的に使うことはないでしょう。

 

現金書留以外に送金する方法は?

では、どうやって慰謝料を払うべきでしょうか。

ほぼ、銀行振込だけです。

振込であれば、お互いの通帳に記録が残ります。この記録が一番、確実です。もし口座の情報を教えたくない、などがあれば、慰謝料の受け取りのためだけに、新たに口座を開設する人もいます。いまならインターネットで簡単に口座開設できます。お金もかかりません。それほど珍しくありません。

あとは現金で払う、手書きの領収書を渡す、などもありますが、あまりオススメできません。あとから、やっぱり足りなかったと言われるかもしれません。手書きの領収書など、誰が書いたか分かりません。筆跡鑑定すれば分かるかもしれませんが、数万から数十万円かかります。わざわざ、そんなリスクを負うほどのメリットはないはずです。(強いていえば、振込だと手数料が数百円かかるくらいです)

 

現金書留で払って欲しいと言われたら

基本的には、お断りした方が無難だと思います。ただ、立場的に断りにくいとも思います。絶対に口座を教えたくないし、新規にも作りたくない、という人は超レアですがいます。そうしたときは、弁護士さんに相談した方が良いでしょう。供託するという選択肢もあるかもしれません。

逆に慰謝料を受け取る側は、よほどの事情がない限りは、振込を指定した方が良いです。振込だと1回に〇十万円しか振り込めないから…と言われても、窓口で振り込むか、何日かに分けて入金すれば良いだけです。

 

和解書にも注意して欲しい

慰謝料を現金書留で送ろうとしている方は、おそらく弁護士さんなどの専門家に依頼せず、自分だけで終わらせようとしていると思います。(専門家が慰謝料を現金書留で送ってと言ってきたら、かなり怪しいと思います…)

しかし、上記のように、送り方だけでもこのような注意があります。特に、和解書の内容には注意が必要です。慰謝料を払ったのに、知らない事実が出てきたから追加で払えとか、やっぱり離婚したから追加で払えとか、慰謝料とは別にホテル代などを払えとか、慰謝料を払ったあとにトラブルになってしまうケースもあります。また、美人局などが疑われるケースや、口止め料を別に請求されることもあります。

基本的には、ネットの情報やサンプルに頼るのではなく、お近くの専門家に相談や依頼をした方が安心です。(もちろん、それでも100%大丈夫、という保証はありません)

 

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