元夫と子供の面会を拒否し続けると、親権を奪われる!?

「奪われる」というより、「親権が母親から父親に移った」が正確かもしれません。2014年12月、子供に会えない父親と、子供に会わせない母親で、以下の裁判がありました。

引用元:父親に親権変更 「面会交流」合意守られず 福岡家裁 大分合同新聞

 離婚によって別々に暮らす父親と子どもが定期的に会う「面会交流」を認めるのを前提に母親が親権者となったのに、母親の言動が原因で子どもが面会に応じていないとして、福岡家裁が家事審判で親権者変更を求めた父親側の申し立てを認めたことが17日、分かった。「母親を親権者とした前提が崩れている。母親の態度の変化を促し、円滑な面会交流の再開にこぎつけることが子の福祉にかなう」と判断した。4日付。

父親側の代理人を務めた清源(きよもと)万里子弁護士(中津市)は「面会交流の意義を重視した画期的な判断」と評価。虐待が判明するなどしなければ、母親が持つ親権が父親に移ることはほぼなく、面会交流を理由に親権者変更を認めたのは全国の家裁でも極めて珍しいという。
発端は関東に住んでいた30代夫婦の離婚調停。双方が長男(現在は小学生)の親権を望んだ。母親は協議中に長男を連れて福岡県へ転居。最終的には、離れて暮らす父親と長男の面会交流を月1回実施するのを前提に、母親を親権者とすることで2011年7月に合意した。
もともと父親と長男の関係は良好だったが、面会交流は長男が拒否する態度をみせうまくいかなかった。父親側は「母親が拒絶するよう仕向けている」と12年9月に親権者変更などを福岡家裁に申し立てていた。
家裁は家裁内のプレイルームで「試行的面会交流」を2回実施。長男は1回目は父親と2人で遊べたが、2回目は拒否。家裁は、長男が「(マジックミラーで)ママ見てたよ」といった母親の言動を受け、1回目の交流に強い罪悪感を抱き、母親に対する忠誠心を示すために父親に対する拒否感を強めたと推認するのが合理的と指摘。面会を実施できない主な原因は母親にあるとした。
その上で、家裁は親権を父親、監護権を母親へ分けるべきだと判断。「双方が長男の養育のために協力すべき枠組みを設定することが有益。子を葛藤状態から解放する必要がある」とも指摘した。

 

裁判所が“面会を実施できない主な原因は母親にあるとした”理由は他にもあるのだと思いますが、珍しいケースだと思います。実際、離婚協議書で面会について定めても、面会できていないケースは多いようです。

ただ、この件は、親権を父親に、監護権を母親にすると判断しただけで、今後、円満に面会ができるようになったかは定かではありません。ここまで両親が争ってしまうと、この少年はどういう立場に置かれるのでしょう…。後で母親から責められたりしないかな?と余計な不安を感じてしまいます。

当事務所では、『子供の幸せを最優先に考えた離婚』をご提案しています。その第一歩は、『夫婦が円満に離婚すること』だと思っています。両親が争い、憎みあうほど、子供にとって不利益になるためです。

ただ、正当な理由があって、子供のために父親と会わせたくないと考えている母親もたくさんいます。面会でトラブルが起きないよう、しっかり離婚協議書を作りましょう。

 

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